Appleの米国特許5,946,647号が話題になっている(TechVisor Blog)。文章中の識別可能な文字列を検索し、それに動作をリンクすると言う特許だ。例えばメール内の電話番号をクリックすると電話機能を、URLをクリックするとブラウザーを呼び出す事ができる。メーラーに限らず、Twitterクライアントや掲示板でも良く見る機能だ。Appleはこの特許を侵害したとHTCを訴えているが、Android OS全般に影響が及ぶ部分になるらしい。しかし単純に考えると強力な特許だが、強力すぎて無効になるかも知れない。
まず、全てのドキュメントがこの特許の対象にならないのは明白だ。特許文ではstructures identified in comupter dataに関連したコンピューターの動作としか無いのでHTMLのタグも該当しそうなものだが、HTMLは1993年6月からあり、HTML文書中のAタグでメーラーを、Objectタグで他のアプリケーションを呼び出す事は、この特許が成立する1996年2月以前から行われていたため、HTMLを表示するブラウザーは影響を免れている。
次に、テキスト・データをHTMLに変換してから、ブラウザー・オブジェクトを通して表示を行う行為が広く行われている。フォントの大きさやリンク等を容易に設定できるためだ。大半のチャット・クライアントやTwitterクライアントは、このような構造になっている。つまり、置換処理とHTMLの表示は、米国特許5,946,647号を回避できる可能性が高い。
つまり、特許の適用範囲が広くてHTMLも該当してしまうので、特許回避が容易になっている。なお1996年2月までに開発されたメーラーやエディターで、テキスト中のURLやメールアドレスにハイパーリンクを貼る機能があると、この特許は自動的に無効になる可能性がある。Emacs用のLispスクリプトでbrowse-urlが1995年にはあったので、公知例として認められる例が出てくるかも知れない。
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