2013年4月24日水曜日

ドッグファイトの科学 ─ 知られざる空中戦闘機動の秘密

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ゲームや劇画で戦闘機と戦闘機の格闘戦が描写されることは多いが、リアリティに欠けていることがほとんどだ。弾薬の搭載数もそうなのだが、航空機の動きが基本的に何かおかしい事になっている。架空の機械であっても、宙に浮くな、空気抵抗ぐらい考えろ。

ドッグファイトの科学」は、元自衛隊の戦闘機パイロットで現在航空写真家の赤塚聡氏が易しくドッグファイトを解説しており、ゲームや映画を見る前に一読と言うか、三回ぐらい読むべき内容になっている。趣味を追求して自衛隊に入ってイーグル・ドライバーになった人らしく、国内でドッグファイトを語るのに、右に出る文筆家はいないであろう。

第1章で、戦闘機と言うか、飛行機の機動の基本を説明している*1。ここは後の理解のために重要だ。第2章で、速度と高度、運動エネルギーと位置エネルギーを考えながら敵機の背後を取るのがドッグファイトだと言う事が示され(P.38)、具体的にどういう戦術があるのかを示していく。第3章で武装を説明しているが、ここはカタログ的。第4章で実際の空戦の歴史と多対多の戦術紹介を紹介している。第5章で曲芸飛行を、第6章がFAQになっている。第1、2、4章が面白い。

残念ながらハイスピード・ヨーヨーやシザーズの存在を覚えても、飛行機の操縦はできないし、Microsoft Combat Flight Simulator(古)で相手してくれる人もいないのだが、戦争モノを斜めに愉しむのには役立つかも知れない。なお実際に曲芸飛行ができる人も、以下のように大型旅客機などでバレル・ロールをしだすと驚くので、皆さん自重してください。

Boeing 707のバレル・ロールは1955年に行われたデモ飛行で、飛行機にとっては1Gしかかからない完全に安全な操縦だったらしい。実際に別の機種によるバレル・ロール中の機内を写しているのだが、2分13秒~のところを見るとコップの水もこぼれていない(DVICE)。

でも、驚くよ(´・ω・`)

*1もう少し速度と揚力の関係を強調しても良い気がしたのだが、旅客機では無いと言うことであろうか。「基本的に航空機は機体の姿勢を変化させて、揚力の大きさや方向を自在に変えることで、上昇や降下そして旋回などの軌道を行います」(P.10)とあるが、速度と揚力、そして速度と高度も比例する。P.14の数式で示されてはいるが、誤解を生みそうな気はする。

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