2012年3月21日水曜日

あっさり明確になったメガ・ソーラーの終焉

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太陽光発電所の建設で旗をふっていた孫正義氏が「(FITの買い取り価格を)40円を下回った場合、自治体が要望した二百数十カ所のほとんどで事業を断念せざるをえない」と言い出したようだ(SankeiBiz)。再生可能エネルギーに熱心であったドイツ政府も買取価格を€0.2443(約27円)/kWhに下げており、40円/kWhはかなり高い。

追記(2012/03/21 13:01):2013年からは全量買取も廃止される(電気新聞)。

1. パネル価格の下落はコストに影響なし?

再生可能エネルギーのコスト構造を見ると、大半は固定費用と言うか初期設備投資に依存する。太陽光パネルの価格が重要になるわけだが、実際はパネル価格は下がっている。中国サンテックパワーが安売り攻勢を仕掛けており、価格下落で米ソリンドラとエバーグリーン・ソーラーは経営破綻に追い込まれた(NewsweekBusinessWire)。国内のモジュール価格に大きな変化は無いが、調達価格等算定委員会が孫氏の言い分を飲む可能性は少ないであろう。

2. 強気の将来予測と弱気の収益計画

以前に孫氏率いる自然エネルギー協議会の資料を検討したことがあるのだが、コスト分析、賦存量分析、需要追随度分析、出力変動分析、生産量予測の点で、説得力の無いものであった。特にコスト分析に関しては、技術進歩による将来性があるのであれば買取価格を低く買取期間を短くできるはずだが、20年間40円/kWhを保証しろと言うのは将来性が無いと言っているようなものだ。孫氏も将来性など無いと思っているのかも知れない。

3. 去るものを追わない心の広さが必要

調達価格等算定委員会がドイツのFITの失敗事例を意識していれば、30円/kWh程度の買取価格を提示すると思われる。そして孫正義氏は政府の無能を非難しつつ、メガソーラー事業から撤退する。残念に思う人は、太陽光発電所の一週間を見てから、メガソーラーが本当に必要なのか考えた方が良い。浮体式洋上風力発電などと比較して、ずっと見込みが低い技術だ。

孫正義氏がこのビジネスから離脱する事になっても、特に非難にはあたらないと思う。企業家はルール内で収益を上げることが使命であって、ルール違反をしたわけではない。この手の産業政策は、乗って来る人がいないと何も成立しないものだ。問題は、どのような政策を立案するかだ。

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