ボイコットによって少数派意見が圧殺されて言論の自由が損なわれるので、ボイコットを呼びかけることは不正であると言うような主張が𝕏/Twitterで反リベラル/アンフェのアカウントから流れていた。ボイコットによる経済的被害を恐れて、信条を述べることが抑制されるという主張なのだが、これまでの法曹の考えだと、むしろボイコットは言論の自由で保障される権利だと考えられている。
アメリカでは1969年10月から1982年6月に、全米黒人地位向上協会(NAACP) vs カリボーン・ハードウェア社(Claiborne Hardware Co.)裁判があった。警察に関してのミシシッピー州クレイボーン群のポート・ギブソン市とその他の地域とNAACPの争いであったのだが、NAACPはボイコットをその地域の白人商店に実施した。その手法は強引で、黒人の監視者が白人商店の前に立ち、利用した黒人を特定して新聞とNAACPの会議で名前を公表すると言うものであった。NAACPが主導したものとは認められなかったが、ボイコット破りには暴力による制裁が行われることもあった。このボイコットに対して、白人商店は結束して訴訟を起こした。ミッシッピー州裁判所の判決では、営業に対する悪意ある妨害行為、二次ボイコット禁止法違反(本来は無関係の白人商店が標的)、反トラスト法違反(黒人商店と白人商店の競争が不当に制限)と、NAACPと関係者の不法行為を認めたが、連邦最高裁はアメリカ合衆国憲法修正第1条から適法とした*1。つまり、ボイコットは言論の自由で保障される権利だと考えられている。
日本国の法律では、店舗の前に監視者を立ててボイコット破りをつるし上げるような強引な手法が適法になるかは怪しいが、虚偽に基づいたりしない限りボイコットを薦めることは憲法21条によって表現の自由として認められていると考えられている*2。原則論としては、ボイコットの呼びかけは、言論の自由。なお、日本国の法律では、性別や人種とした不採用は原則違法行為である一方、政治信条を理由にした不採用は適法となっている。解雇は違法なのだが。
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