福島第一原発の地震に付随した災害だが、3月15日の4号機の火災発生以降、福島第一原発では放射能漏れが深刻化した。
中央制御室は放射線のため常駐不能になり、爆発事故の原因となった燃料プールの冷却を行おうにも放射線のために接近ができない。政府は作業員の被曝線量上限を引き上げるなど、緊急的処置により対応をしようとしているが、オペレーションが難しくなったのは確かだ。
どれぐらい状況が悪化したかが一目でわかるように、東京電力の発表資料『【別紙】福島第一原子力発電所モニタリングカーによる計測状況』から、3月12日0時から15日23時までの原発正門前の放射能濃度の変化をグラフ化してみた。クリックすると拡大する。なお東電のデータが定期的でないので、1時間ごとの平均値、最大値、最小値を集計している。
追記(2011/3/17 1:10):グラフを更新
明らかに原発内の放射線濃度が上昇している。夜にはだいぶ放射線濃度が減少したが、まだ前日の水準までも戻っていない。ピーク時の12ミリシーベルトは、胸部X線2回分の放射線量と同等のようだ(asahi.com)が、長時間その場に留まるには危険な状態だ。距離の二乗に比例して粒子が拡散していくので、この値が周辺住民などへの脅威となるわけではないが、徐々に混迷が増しているのは確かなようだ。爆発事故自体は放射線濃度の上昇はもたらしていないのが興味深い。
なお、原発のモニタリング・ポストが故障しているため、人間がついて観測を行っているためか、12日17時~19時、14日7時~11時、14日14時~17時、15日7時~8時、15日11時~12時の間はデータが存在しなかった。また、14日深夜2時~3時の間の放射線濃度の上昇については、報道資料の中から原因を見つけられなかった。
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