2010年9月25日土曜日

Gizmodo Japanのひどい記事を振り返る

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海外ニュースを紹介するブログの記事を書いていると、他のサイトと良く内容が重なる。しかし、同じソースの、同じ記事を書いているのに、内容が大きく異なる事がある。大抵は見解の相違や、どちらかの誤読なのだが、狙ったとしか思えないぐらいひどい記事もあるものだ。

本BLOGはGizmodo Japanと内容がかぶる事が多いのだが、なぜか商業メディアであるGizmodo Japanの方に、事実関係がおかしな記事が散見される。そこで、問題があるGizmodo Japanの記事をリストしてみた。

1. もしや新手のテロ? 空港のコンピューターにトロイの木馬で飛行機が墜落炎上...
コメント欄に詳細が載っているが、空港のコンピューターと、航空会社のコンピューターを混同した状態で、推測を積み重ねて記事を書いている。また、当局がテロの可能性は無いと言っている点は触れられていない。細部も、航空機の機種が間違っているなど、米Gizmodo版の記事にも存在しない誤りがある。
(関連記事: コンピューター・ウイルスで旅客機が墜落?
2. 数百万人の死か、国家百年の電力か? キブ湖の試み
紹介されているのは電力供給と安全性確保の一挙両得を狙った事業だが、ガス抜き事業の発電以外の目的を見落としているようだ。引用部分は安全目的にも触れられているが、ガス抜きを行わないとリスクが増していくので、両刃の剣の形容は不適切であろう。ガスに資源と危険性の両面があるが、キブ湖の試みには無い。また、米Gizmodoの記事も整理されているとは言えないのだが、翻訳にも難があって、overturnとLimnic eruptionを混同しているようだ。
(関連記事: 200万人に迫る死の危険を逆手にとり、ルワンダのキブ湖で発電施設が増築中
3. 地下に住むロボット軍団が看護師を務める世界初の病院
情報源には、ロボットが配送物と廃棄物の流通を担当し、衛生面と労力削減で看護師に寄与し、看護師が直接患者に費やせる時間が増えるとある。しかし、サービスの向上になるとは書かれていない(看護師あたりの患者数が増えるかも知れない)。また、日Gizmodoの記事には、第一の利点の、衛生面の改善が触れられていない。米Gizmodoの記事も混乱が見られるので、日本のGizmodoのスタッフが誤解したまま日本語版記事を書いた可能性がある。
(関連記事:医療や介護は、機械化できるか?
4. オゾンホールの拡大が止まらない!
オゾンホールには季節変動があって、夏は拡大する傾向がある。だから、英語版Gizmodoでは「今年も巨大なオゾンホールが空いた」とタイトルに書いてあるのだが、日本版の訳者は意味が良く分かっていなかったようだ。周辺知識が無いと、誤読しやすいと言う例。
(関連記事:オゾン・ホールが縮小傾向に転じ、2073年に消滅する見込みが立つ
5. iPhoneユーザーの女子はセックス好き? 撮影のテク次第でアラフォーもアラサーに...
米Gizmodoの記事の分量を見れば分かるのだが、翻訳途中で力尽きた記事。情報源はデート・サイトの調査で、そのサブ調査としてiPhoneユーザーの累計経験異性数のデータが提示してあったので、そこだけ抜き出しても良かったのだが中途半端に全部を訳そうとして力尽きている。
(関連記事:iPhoneユーザーは浮気性?スマートフォン別の性的交渉人数が明らかに

どうやら、米Gizmodoが他のニュースソースを要約して出したものを、さらに日Gizmodoが翻訳するときに誤読が発生しているようだ。非ガジェット関連の科学や工学関連の記事に問題が多い。そして、コメント欄に何を書かれても、修正する気は無いようだ。

大量に記事をあげるために、中高生にアルバイトをさせて記事を書かせているのではないかと思うが、単にガジェットの機能の記事ではないと、日Gizmodoのスタッフにやる気が無いのかも知れない。運営会社の株式会社メディアジーンの方針は分からないが、報道機関ではないので、記事の内容はともかく釣り見出しでアクセス数が稼げればよいのであろう。しかし、それではブログにライトノベルを綴っているのと変わらない。

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