2020年3月23日月曜日

セクハラや性暴力を減らす取り組みは、成果を挙げて来ている

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ネット論客の青識亜論氏が「セクハラや性暴力を減らすというの、政治運動として結果を出しづらい・・・萌え絵や公共的な広告物をバッシングして取り下げさせるの、簡単に結果が出るので「成果としてアピールしやすい」」と言う、近年の法制度改革やその実効性の向上などを省みない、セクハラや性暴力の問題に関する強い無関心さを感じる主張を行っている。青識亜論氏が非難しているツイフェミも無視しがちなのだが*1、ここ30年間、社会風潮を含めて大きな改善が行われてきた。

法制度改革は中間成果に過ぎないとは言え、性犯罪に関しては、2004年、2017年の刑法改正、2000年のストーカー規制法の立法、2016年の改正、セクハラに関しては、1999年、2006年、2019年の男女雇用機会均等法改正があり、頻繁に制度改正がされてきた。他にも、都道府県レベルの迷惑行為防止条例違反もある。法律の実効性を高めるための啓蒙活動を活発化させるのも政治的成果だ。判例も微妙にだが変化している。フェミニストの働きかけだけが貢献しているわけではなく、むしろ世間を騒がす事件が契機になっているのだが、アダルトビデオ出演強要問題を白日の下にさらし*2政府に対応を迫ったし、薬剤を使った強姦事件で世間の耳目を集めた裁判では、警察の初動捜査の手順が変更されたりもしている*3ので、貢献は認めざるを得ない。どちらにしろ、フェミニストで規制強化に取り組んでいた団体*4は、成果としてアピールしている。

比較している、広告などの表現物を非難して取り下げさせる行為が、政治運動としての成果なのかと言う問題もある。今までの騒動、個々のフェミニストが個人の感想を述べているだけで、成果を示す必要のある政治運動にはなっていない。ポルノ化(pornofication)を非難している人々は多いのだが、少なくとも日本でそれを主な活動にしている団体は聞かないというか、セクハラや性暴力を問題にしている団体が、創作物の中のポルノには該当しない女性表現の規制に熱心に取り組んでいるとは聞かない*5SNSで目に付いた女性表現をツイフェミが非難していて、表現の自由戦士はその非難に反論する行為をSNSで行い、表現物のクリエイターもSNSの騒動を見てどうするか考える時代ではあるのだが、そういう表現物炎上騒動の結果を“成果”とできる政治活動は多くは無い。「キズナアイを非難した活動実績があります。献金してください。」と言われても、「はぁ?」としか言いようがないわけで。

*1フェミニストと言っても大半は問題解決のために取り組んでいる人々ではないので、性犯罪の実態については調べるほどの興味関心がない人が多く、議論がミスリードされがちである(関連記事:性的暴行事件の判決について怒り出す前に知っておくべき5つのこと)。

*2NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(HRN)の貢献が大きいようだ。

*32019年7月31日の「性犯罪捜査における適切な証拠保全について(通達)」によると、性犯罪証拠採取セット(捜査用)に採尿・採血セット及び簡易薬物検査セットも一緒になって、準強制性向の立件のための証拠集めもしやすくなった。

*4「ちゃぶ台返し女子アクション」と言う性暴力をなくす活動をしているフェミニスト団体は、インタビューで「正直、ここまでうまくいくとは思っていなかった。当初の目標と比べても、120%の結果ですね」と言うコメントを出している。

*5マンガやアニメやゲームの中の児童ポルノに関しては、団体ではないが継続的に取り組んでいる人もいる(関連記事:渡辺真由子のマンガ・アニメ・ゲーム内の性的描写規制論を振り返る)。

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