2019年11月22日金曜日

ジェンダー社会学者によって「お気持ちフェミニスト」が適切な表現であることを示される

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ジェンダー社会学者の小宮友根氏の雑誌『世界』に掲載された「表象はなぜフェミニズムの問題になるのか」と言うエッセイがウェブで公開されたのだが、そこでネット界隈のフェミニストの近年の創作物への非難が気分が悪いと言うだけの話であることが高らかに宣言されていた。萌え絵などの問題の表象はなぜか女性差別を連想をして気分が悪いと言うだけの話だったらしい。

2019年11月17日日曜日

フェミニストはリバタリアン論客の青識亜論とどう言い争うべきか?

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ネット論客の青識亜論氏と元グラビアアイドル/現ライターの石川優実氏が、ここ数年で話題になった女性ジェンダーに関する問題に関して討論会を開いたのだが、司会進行の人が残念な展開になったと嘆いていた*1。どうも議論が噛み合わなかったらしい。青識亜論氏の方はよくツイートが流れてくるし、ある程度、話をしたこともあるのだが、なかなかフェミニストの皆さんにはとっつきづらいと思う。

2019年11月14日木曜日

家族政策を語る前にとりあえず読むべき『「家族の幸せ」の経済学』

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結婚や子育ては(最後の離婚以外は)大半の人は一生のうちに経験することだが、実際のところ他所の事情はよく知らない。日本や世界についてになると、なおさらだ。皆さん興味があることだが、知っているようで知らないのが家庭の問題とも言える。ネット界隈で家族政策についての言及がよく炎上気味に話題になるのは、こういう事情が作用している。

2019年11月13日水曜日

訴求内容と訴求対象に合った、より効果的な表現方法を工夫したら、アイドルと萌え絵の女の子がアイキャッチャーとして残ることもある

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極東ブログのfinalvent氏が「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」をひいて、日本赤十字社の「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーンの絵は好ましくないと主張している*1のだが、少し注意深さが足りなかったようだ。「安易に」「訴求対象」「効果的」に留意して欲しいのだが、よく考えると駄目な事例とは言えないことが分かる。

2019年11月12日火曜日

日本赤十字社の理念は「お気持ち」ではなく血液製剤の安全性と品質の向上という帰結重視ですよ

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「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーンの絵に関するシェイクスピアを専門とする文学研究者の北村紗衣氏の言及に関して、吉峯耕平弁護士が批判していた*1ことなどに対し、北村氏が反論を行っている*2ので拝読してみたのだが、日本赤十字社の血液製剤の安全性と品質の向上に勤めるという理念が、帰結を重視していることを理解できていないのが気になった。北村氏も帰結に影響はないと認めているわけで、話題のポスターが日赤の理念に反するとは言えない。

2019年11月7日木曜日

献血の広告におけるジェンダー表現規制は、献血の提供者と受益者の健康に貢献するのか?

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しないよ。

献血の広告に今風のマンガの絵(つまり、萌え絵)を使うことに関して、シェイクスピア(もしくはその関連)を研究している文学者の北村紗衣氏が、「私の一家は輸血による肝炎感染被害を受けました。私は献血の広告に高い倫理性を求めたい」と主張しだし、「輸血による肝炎感染被害と宇崎ちゃんを使った広告には何の関連性もない」「実際は「高い倫理」(=個人的好み)」と弁護士勢から批判されている。

2019年11月4日月曜日

「鏡のヴィーナス」損壊事件からは、初期のフェミニストが表象の差別性に関心を持っていたとは言えない

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ジェンダー社会学者の小宮友根氏が「鏡のヴィーナス」損壊事件をひいて、1910年代に婦人参政権運動をしていた頃の英国のフェミニストからして、裸婦画にある表象の差別性について関心があったと主張しているのだが、根拠が薄すぎなので指摘しておきたい。話によると歴史家Lynda Neadが可能性を示唆した説なのだが、直接の根拠どころか傍証も弱い。

2019年11月3日日曜日

昭和な数学随筆『トポロジー入門 奇妙な図形のからくり』

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講談社ブルーバックスが、1974年刊行の『トポロジー入門』(日科技連出版社)の復刻版『トポロジー入門 奇妙な図形のからくり』を今年になって出したのだが、拝読してみたので感想を記しておきたい。なぜか書評を求められたので。悪い本ではないと思うが、初学者向けの紹介本と言うよりは、昭和を懐かしむ何かになっている。

2019年10月21日月曜日

「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーンの絵は過度に性的なのか?

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日本赤十字社が献血をしたらマンガのキャラ絵のクリアファイルが貰えるキャンペーンを行っている*1のだが、その絵が米国人男性が過度に性的だと言い出し、便乗して太田啓子弁護士が「環境型セクハラをしているようなもの」だと指摘し*2、日本赤十字社に問いただすと宣言、一部のメディアが取り上げ話題になっている。キズナアイ騒動を思い出すのだが*3、彼らの過度に性的か否かの基準は曖昧だし、厳密に考えると女性を社会から排除するものになりかねない。

2019年10月19日土曜日

曺国法務部長官の就任と辞任から見える韓国の政治事情

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文在寅大統領の懐刀で反日運動の急先鋒と見られている韓国の政治家曺国チョ・グク氏が、立件・有罪にできるのか微妙そうだが社会正義には適っていないと言えるスキャンダルが家族や自身から数々と発覚している中で法務部長官に就任し、早々に辞任することになった。9月9日から10月14日までの一ヶ月強の短命である。この韓国のドタバタ劇で、幾つか文在寅政権の性質が見えてくるので記しておきたい。

2019年10月14日月曜日

台風19号による水害と、民主党政権時の脱ダムは三つの点から関係ないよ

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大規模水害が生じる度なのだが、事業仕分けで中止されたスーパー堤防があったら水害が防げた、事業仕分けで中止*1されたが自民党政権時に復活した八ッ場ダムで利根川流域の水害が防げたと言う趣旨のツイートが流れている。これ、3重の意味で現状の水害防止能力に関係がない民主党嫌いの人々の流している誤解なので、釣られないようにしよう。

2019年10月10日木曜日

「食べログ3.8問題を検証」のヒストグラムの階級幅は狭すぎるのか?

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人気の口コミ・グルメサイト「食べログ」で「評価3.8以上は年会費を払わなければ3.6に下げられる」のでは無いかという噂が広まっているのだが、これを店の評価点の分布から検証したエントリー「食べログ3.8問題を検証」が話題になっていた。しかし、「ヒストグラムのビンが細くて、いびつな分布に見えているだけ」と言う批判が付いている。しかし、それを考慮しても異常値に思える。

2019年10月7日月曜日

分析ツールを選び間違えたか、分析ツールが不足している社会学者の悲哀が感じられる『エスノメソドロジーを学ぶ人のために』

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ネット界隈で炎上源のひとつである、あるフェミニスト社会学者が根拠不明の暗黙の前提に無自覚で議論を展開しているのが以前から気になっていた。ジェンダー論とエスノメソドロジーが御専門だが、ジェンダー論の方はお気持ちポエムの粋を出ない混沌とした主張がよく観察されている*1。エスノメソドロジーの方は大丈夫なのであろうか気になって、『エスノメソドロジーを学ぶ人のために』を拝読してみた。複数の著者による独立したエッセイ集だが、どういう使い道があるのか雰囲気を掴むことができ、初学者向けの本として文献ガイドも充実している。

2019年9月23日月曜日

社会学者の卵の古谷有希子さん、大正デモクラシーで普通選挙が実現されたことを忘れていませんか?

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社会学者の卵の古谷有希子氏が「日韓関係:互いを敵視してしまうのはなぜなのか」と言うエッセイを書いているのだが、現時点でそこにある事実誤認もしくは表現上の問題を誰も指摘していないようなので記しておきたい。他人を歴史修正主義と罵る前に、しっかりとした文献で事実関係を確認する癖をつけるべきではないであろうか。

2019年9月20日金曜日

一昨年にあった多核種除去設備(ALPS)の不具合を、今でもあるように騒ぎ立てる前に

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福島第一原発の災害・事故処理で生じた大量に蓄積されたトリチウム水の海洋投棄を巡って色々と議論があるのだが、多核種除去設備(ALPS)がトリチウム以外の核種を取りきれていないと疑惑がネット界隈で拡散している。だいたい放射脳と揶揄される類のいつもの反原発派が声を大きくしているのだが、吹聴する前に事実誤認が無いか、そして目標と整合的な主張なのかよく考えて見て欲しい。

2019年9月19日木曜日

国民経済計算(SNA)至上主義者は一度は読むべき『GDP―〈小さくて大きな数字〉の歴史』

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パフォーマンス評価の測定基準は基準ごとの癖があるのだが、普及すると指標として乱用されてしまう傾向がある。国民経済計算(SNA)の中の一つGDPも例外ではなく、GDP成長率が国政の重要な評価基準のように扱われている。しかし、一般に思われているほど完璧なツールではないし、経済構造の変化により問題点の影響が大きくなってきている。ダイアン・コイルの『GDP―〈小さくて大きな数字〉の歴史』は、SNAの歴史を振り返った上で、このようなGDPの性質と問題点について説明してくれる本だ。

2019年9月13日金曜日

無理な理屈を使っても日本統治は悪く言いたい『植民地朝鮮と日本』

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韓国併合後の日本の朝鮮統治について知るための文献としては、木村光彦『日本統治下の朝鮮』と趙景達『植民地朝鮮と日本』をあわせて紹介していることが多い。前者は以前に拝読した*1ので、社会学者など左派の人々が好んでいるらしい後者を確認してみた。マルクス史観どっぷりと言うわけでもないが、意地でも大日本帝国を悪く書かないといけないと言う教条主義に取り付かれた本であった。

2019年9月7日土曜日

日刊ゲンダイの財務省“インチキ統計”記事に関して

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日刊ゲンダイが「財務省また“インチキ統計” 計算方法変更で設備投資「増」」と言う記事で、法人企業統計の設備投資の推移に関して「コッソリと統計手法を変更して、「うまくいっている」ように見せ」ていると財務省、安倍政権を批判している。しかし、この記事を書いた記者、急いでネタを探していて、資料を空目したのでは無いであろうか。

韓国政府、韓国国民へのメッセージは具体的かつ明確に

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韓国の文在寅大統領がASEAN訪問で各国に協力を求めると言い出し、韓国の康京和外相がBBCのHARDtalkと言う番組に出演したり、文在寅大統領の政策ブレーンとして知られる延世大学の金基正教授がThe National Interestと言う雑誌に寄稿*1したりと、日韓関係の悪化に関して韓国首脳は自己正当化に余念が無い。さらには福島第一原発のトリチウムを含む処理水の投棄や旭日旗の問題など次々に話題をつくってくれるわけだが、おかげでちょっと困ったことなっている。皆さん、日本政府の主張が何であったか覚えているであろうか?

2019年8月29日木曜日

偉い人にぜひ読んで欲しい『測りすぎ—なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』

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人事にしろ投資にしろパフォーマンスは評価せざるをえないし、客観的に見える測定基準の指標に頼ってしまうのが世の常だ。しかし、往々にして指標をつくるためには時間も労力がかかるし、指標を報酬や罰則に連動させると評価される方は組織の目標と乖離した結果になっても指標にあわせて行動を最適化しだす傾向がある。

2019年8月25日日曜日

フェミニストの江原由美子さん、指標の大小の意味はよく確認しましょう

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横浜国立大学の江原由美子氏が、「フェミニストの私は「男の生きづらさ」問題をどう考えるか」と言うエッセイの3ページ目で、「日本では男性よりも女性のほうが、幸福度が高い」ことを、男女共同参画局の調査レポートにある生活満足度の集計値*1では男性の方が指標が高いことから、信憑性が低いと主張している。確かに、男性の方が指標が高い。しかし、これ、(すもも氏のツイートの請け売りなのだが)指標が低い方が生活満足度が高くなっているので、調査結果の読み間違いである。

2019年8月24日土曜日

『ヒトラーとナチ・ドイツ』を読んで、ヒトラーの出世街道を確認しよう

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国際政治史が専門の板橋拓己氏が、ヒトラーとナチについては知りたい人々向けに、石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』とリチャード・ベッセル『ナチスの戦争1918-1949 - 民族と人種の戦い』を推奨していた。ナチス・ドイツ好きでは無いのだが、色々な人が言及したがるドイツ史なので、常識的なことは知っておきたい。『ナチスの戦争』は以前、拝読したことがある*1ので、『ヒトラーとナチ・ドイツ』をざっと拝読してみた。

2019年8月23日金曜日

どこに行きたいのか文在寅

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対日批判を続けてきた韓国の文在寅大統領だが、2019年8月15日の光復節のスピーチではそれをトーンダウンさせ、日本が対話を望めば「喜んで手を結ぶ」 と柔軟な態度を見せた。しかし、日韓請求権協定に規定された、日韓で協定解釈が異なったときの対話手段である仲裁委員会の設置については拒絶し続けているし、日本国民を挑発するかのように、福島第一原発の災害・事故から8年以上経った今頃になって、日本産食品の放射線検査強化をはじめたり*1、韓国も海洋投棄を行っているトリチウムの廃棄に関して日本政府に説明を求めだしている*2。昨日はとうとう、GSOMIAの破棄を決定した。文在寅政権は、一体どうしたいのであろうか?

2019年8月18日日曜日

社会学者の卵の古谷有希子さんの日韓関係への認識について

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社会学者の卵の古谷有希子氏が「日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる」と言うエッセイを書いていて、色々とツッコミどころがあるのではてなブックマークのコメントが賑わっている。既出な問題な気もするが、大きな無理解が4つあるようなので指摘しておきたい。

2019年8月17日土曜日

徴用工問題で日本は韓国に落としどころを示しているハズ

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荻上チキ氏のラジオ番組*1で、朝鮮半島を専門とする政治学者の木村幹氏がインタビューを受けていて拝聴した。社会学畑の荻上チキ氏が振り回す日本人の植民地主義が日韓の軋轢を生み出したかのような話を、木村幹氏が日本人の植民地主義を否定し、日本側は変わっていないのだから韓国が原因で発生した問題とやんわりと全面否定していて面白い。しかし、木村幹氏の説明にも、ちょっと謎なところがある。

2019年8月14日水曜日

日韓外交の専門家は、もっと安倍政権を褒めるべき

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韓国に限らず地域研究全般に言える事だとは思うが、韓国政治の研究者は日韓の相互理解を深めて日韓関係を良好に維持したいと願っているもので、日韓の軋轢に対して否定的な感情を抱いてしまい、直観的にネガティブな評価を下し、日本政府に対して穏便な対応を求めてしまう。ネット界隈で知名度のある木村幹氏も浅羽祐樹氏もその例外ではないようだ。

2019年8月12日月曜日

小泉進次郎衆院議員、政府の役職につくまで国会質問はして来ていますよ

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Twitterで小泉進次郎衆院議員が10年間の議員生活で一度も国会で質問を行っていないと言う噂が駆け抜けた*1のだが、国会会議録検索システムで確認したところ、野党時代も与党時代も国会質問をしていたのでガセであった。内閣府大臣政務官と言う謎の役職についてからは、政府側の人間になるので政府に議員としては質問していないと思うが、代わりに両院に呼び出されてあれこれ発言をしている。忙しい方では無いであろうか。

2019年8月4日日曜日

開催側の配慮の足りなさ、根性の無さが伝わる「表現の不自由展・その後」

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国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の中の「表現の不自由展・その後」の一部の展示物が物議を醸し、開催側の愛知県知事の大村秀章氏と芸術監督の津田大介氏が中止を決定する事態に至った*1。そして一部の展示中止を求めていた河村たかし市長が関係者に謝罪を要求している*2のだが…この芸術祭の運営会議・会長代理は誰であったか忘れてしまったのであろうか。

2019年8月3日土曜日

求められる査読付き新書レーベル

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文学者/エッセイストの池内紀氏の『ヒトラーの時代』の記述に多くの誤りがあると歴史研究者から指摘されており*1、特にある章は正誤表での訂正が困難なレベルであるそうだ。歴史を題材にした文学者の随筆だと捉えればよい気もするのだが*2、良質の歴史書が並ぶ中公新書が出してしまったので失望が大きい。中央公論新社が既刊への批判をどう処理するかが注目されるが、もう少し制度的に製作過程を改善すべきかも知れない。

2019年8月2日金曜日

申叔舟「願わくは国家、日本と和を失うことなかれ」文在寅「協定や合意は守ってやらないし、日本側の要請では対話してこなかったが、全責任は日本にある」

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李氏朝鮮の時代、『海東諸国紀』を記した申叔舟は「願わくは国家、日本と和を失うことなかれ」と成宗に残したとされる(邦訳版後書き;p.409)のだが、朝鮮半島では伝統的に地続きの中国によった外交が展開され、対日関係は後回しにされがちだ。

2019年7月28日日曜日

女性の性感染症の増減と雇用環境に相関があるように見えるグラフは、統計を使った嘘だから!

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マルクス経済学者の松尾匡氏の『不況は人災です!』の図1-3(p.35)をひいて、本の一節のコピペな気もするが、「雇用状況が悪くなると、性的なサービスによってお金を得る女の人が増え、雇用状況がよくなると減るということを表しているのではないでしょうか」と主張するツイートが注目を浴びていた。いや、それ、『統計でウソをつく法』の典型例だから!

ワクチン忌避は集合行為問題ではないよ

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哲学者のジョセフ・ヒースが「ワクチン接種は集合行為問題だ」と言い出して、それを真に受けているような人がいたのだが、この議論においてはヒースさんの勘はよく働いていない。実際のワクチン接種の集団免疫効果はそれに依存できるほど高いものではないし、反ワクチン派の振る舞いは集合行為問題からは説明し難いから、安易に合理的な人々によるフリーライダー問題だと結論を出すべきではない。

2019年7月27日土曜日

ジェンダー社会学者の皆様、無根拠・無条件にDV防止法の保護命令は役に立たないと言うのは、DV被害者の利益にならないですよ

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社会学者の千田有紀氏が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)にある、加害者が被害者への接近を禁じる「保護命令なんて、なかなかなかなか出ませんよね」と主張し、「保護命令の申立ての約8割、取下げを除けば9割以上が認容されている」から事実誤認だと批判され、「保護命令のハードルは高く、却下されたときのリスクを考えて、みんな申請を控えている」「保護命令自体が、加害者を刺激する割に使い出がない」と反論している。千田氏の主張は根拠やそれが当てはまる条件が明示されておらず*1本当は保護適当なのにDV被害者にその申請を躊躇わせる可能性があるのだが、弱者女性の不利益になる可能性について考慮されているのであろうか。

2019年7月26日金曜日

野党もそこそこ普通にできた第25回参院選挙

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目だった争点がなく投票率が低くなった2019年7月21日の第25回参院選挙は、野党が良い意味で平常に戻ったことが分かる選挙でった。建前に拘らず、現実を見据えた展開ができた。レベルの低い基準ではあるが、小池—前原の希望の党騒動の結末を考えれば効果が確認されていることを実施するだけでも上出来だ*1。議席数が少ないと政党に所属する政治家の経験値が増えず、組織としてジリ貧になってしまう現実を考えれば、小手先技でも議席数を確保するのはとても大事である。

2019年7月22日月曜日

『社会学はどこから来てどこへ行くのか』の計量分析への言及について

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対談をまとめたもので語弊はやむを得ない気もするが、ネット界隈でよく見かける社会学者4名の対談本『社会学はどこから来てどこへ行くのか』にある計量分析への言及について、これを読む社会学徒に信じて欲しくない点を記しておきたい。なお、本の主題としては今後の社会学研究をどうやっていくかのような話であり、本題の社会学に関する部分は社会学徒が批判を加えている*1

2019年7月20日土曜日

北田暁大さん、山岡重行『腐女子の心理学2』はオーソドックスに分析していますよ

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社会心理学者の山岡重行氏の『腐女子の心理学2』(以下、山岡本)の統計解析について、社会学者の北田暁大氏が色々と批判している*1のだが、地に足が着かない批判になっている。山岡本を流し読みだが確認してみたのだが、後半の統計概念の説明に難が無いわけではないが、山岡氏の分析手順はオーソドックスな範囲のものであり、大きな問題がある部分は見当たらない*2。利用した分析手法で言える範囲のことしか言っておらず、大きな問題だと主張するのは無理である。そもそもこの手の実証研究は分野ごとの慣習に習うものなので、下手に難癖をつけてもなかなか的を得た批判にはならない。

2019年7月14日日曜日

「大韓民国向け輸出管理の運用の見直し」は警告、そして日本政府は次の手を打つことになる

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大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて、日韓のメディアが大きく報じている。建前は韓国の貿易管理体制や日本との連絡体制の機能不全への不信であり、本音は韓国が日韓の合意を遵守しないことへの不信と言うことになるのは明白で、実際問題、韓国側に本音を理解してもらいたい官邸の計算が見える。日韓の合意事項を守らない韓国に、何らかの措置をとるかもよと言うメッセージを十分に伝えた。

2019年7月13日土曜日

山岡重行が批判する北田暁大『社会にとって趣味とは何か』の標準得点の問題点について

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社会心理学者の山岡重行氏が、社会学者の北田暁大氏が『社会にとって趣味とは何か*1で行った、「夫は外で働き、妻は家庭を守るほうがよいと思う」*2などの質問に、あてはまる(4点)/ややあてはまる(3点)/あまりあてはまらない(2点)/あてはまらない(1点)の4択で答えてもらったアンケート結果の集計方法について、批判を通り越した非難を展開している*3。分析手法はすべて公開されているのだから、不適切な分析であっても捏造とは言えないと思うのだが、それはさておき標準得点は使わない方が良かった。

『答えのない世界に立ち向かう哲学講座――AI・バイオサイエンス・資本主義の未来』

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ネット界隈で人工知能や生命科学に関する哲学的議論はよく見かける気がするのだが、過去の倫理的議論との整合性まで踏み込んだ哲学者の議論まで紹介されていることは少ない。紹介されている場合でも、妙に断片的な引用になっていたりして要点を抑えていない感じもある。軽い読み物で何か紹介が無いかなと思っていたら、『答えのない世界に立ち向かう哲学講座――AI・バイオサイエンス・資本主義の未来』と言うのがよさげであったので拝読してみた。

2019年7月10日水曜日

稲葉振一郎『社会学入門・中級編』の期待効用理論の説明について

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社会学者の稲葉振一郎氏の『社会学入門・中級編』を読みかけてしまって気づいたので、経済学に関する説明について問題点をひとつ指摘しておきたい。全体の議論には大した影響は無いと思うが、気づいてしまったので。ドナルド・デイヴィッドソンの著作の影響で意志決定理論に踏み込みかけたものの、うまく消化できないまま説明を試みたような雰囲気が漂っている。

2019年7月8日月曜日

元財務官僚・高橋洋一の教科書にある中心極限定理の説明について

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東京大学理学数学科卒で、常日頃、文系の経済学者は数学や統計が分からないと罵ってまわっている元財務官僚・高橋洋一氏の著書『図解 統計学超入門』の中心極限定理の説明「相互に独立な確率変数X1、X2、X3、…、Xnがあるとき、これがどのような確率分布であっても、nが大きくなればなるほど、正規分布に近づいていく」がデタラメだと話題になっている。確かに、初学者向けの説明としても、2点、看過できない誤りがある。

2019年7月7日日曜日

稲葉振一郎『社会学入門・中級編』の計量経済学に関する説明はデタラメなことを社会学徒に知って欲しい

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第1章の内容で全体がどうこうと言う話ではないのだが、社会学者の稲葉振一郎氏の『社会学入門・中級編』の第1章にある計量経済学に関する説明はデタラメなので、他の社会学徒の皆様は騙されないように注意して欲しい。ネット界隈の印象に過ぎないが、社会学者の集団はサークルをつくって思い込みを共有しだすので、由々しき事態である。ミクロやマクロの計量分析をしている経済学者たちに草稿をチェックしてもらうなりすれば、ここまで露骨に変なことにはならなかったと思うのだが。

2019年7月6日土曜日

山岡重行の統計的仮説検定の説明に対する北田暁大の批判について

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社会心理学者の山岡重行氏の『腐女子の心理学2』の巻末の統計学用語の説明に関して、社会学者の北田暁大氏が色々と批判している*1。しかし、あれこれ経緯がある*2からだと思うが、全般的に勇み足になっているので指摘しておきたい。山岡氏の記述にも問題が無いとは言い切れないのだが、統計学を学んでいない人向けの説明であろうことを念頭に置くと、山岡氏が統計学に無理解であるかのような批判は適切ではないと思われる。

2019年7月1日月曜日

「トランスジェンダー女性は女性なのだから、女性として取り扱わないと差別」にどう反論すべきか

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ネット界隈で保守的な人々が、トランスジェンダー女性とそうではないシス女性を区別して取り扱うべきと言う主張をし、どちらも女性なのだから同じように扱うのが筋ではないかと言う反論を受けていた。「トランスジェンダー女性は女性なのだから、女性として取り扱わないと差別」と言うのは、トランスジェンダー女性と言う表現における女性の意味と、単に女性と言ったときの女性の意味が異なるのを無視した詭弁なのだが、なかなか巧妙なのでとっさに反論を行うのは難しい。

2019年6月30日日曜日

∂が出てくる高校数学で熱力学と統計力学を紹介する『高校数学でわかるボルツマンの原理』

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経済物理学と言う統計力学を使って経済現象を説明しようとする分野がある*1ので以前から統計力学に野次馬的な興味があったのだが、なかなか手を出せずにいる。大学の統計力学の教材は物理学徒向けに書かれており、文系には予備知識の欠落でなかなか読み進まない*2し、そもそもそんなに本格的に勉強したくない。こんな我侭のための教材などこの世に無さそうではあるのだが、普通にブルーバックスから『高校数学でわかるボルツマンの原理 : 熱力学と統計力学を理解しよう』と言う本が出ていた。

2019年6月24日月曜日

戦争を語るおっさんは『補給戦』は読んでおけよ

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ファンタジー小説を書く前に『戦闘技術の歴史』を読んでおけと言う話で、クレフェルト『補給戦―何が勝敗を決定するのか』が勧められていたので拝読してみた。近世から第二次世界大戦までの兵站に関する風説を検討していく本で、『戦闘技術の歴史』では兵站についてはほとんど言及されていないので補完関係にあり、確かに一読の価値がある。本文だけではなく、訳者後書きの前に付録的についている著者マーチン・ファン・クレフェルトの紹介記事が面白い。原著は1977年の古い本なので現代戦については別の本で補完する必要があるし、兵站で勝敗が決した事例を選んで分析しているわけでは無いので副題が不適当な感じはするのだが、そこは御愛嬌と言うことで。

2019年6月19日水曜日

物理学徒がマクロ経済学を俯瞰した『経済数学の直観的方法』

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物理数学の直観的方法*1で名を馳せた物理学徒の長沼伸一郎氏が、経済数学についての解説本『経済数学の直観的方法 マクロ経済学編』を出していた。経済学や経済思想史を体系的に学んだことが無い人が書いているためか、経済学全体をよく俯瞰できていないので誤解や偏見を引き起こしそうな見落としがあるので、これで経済学を語られるとちょっと困るところもあるし、内容が最近のカリキュラムとやや乖離しているのだが、誤解や偏見があることを踏まえて読める人には、物理学と経済学を対比した記述が面白いものとなっている。

2019年6月9日日曜日

原理から見た製鉄の歴史が分かる「人はどのように鉄を作ってきたか」

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金属が文明に与えた影響は大きく、歴史区分に鉄器時代を使うこともあるし、創作物で鍛冶のシーンが出てくることも多く、製鉄はモノ造りの象徴とも言える存在だ。鉄鋼業界の変動や再編は今でも大きなニュースになる。しかし、製鉄の原理や歴史を学んだ人は少数であろう。ヒッタイト起源だと世界史で習ったぐらいであろうか。しかし、それでは文明を語る老害にはなれない。

2019年6月5日水曜日

MMT教祖Mitchellの日本経済への理解はこんな程度

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話題の非主流派経済学MMTの教祖や信奉者から日本の過去20年間の経験がMMTが正しいことを実証しているような言説をちょくちょくと聞くのだが*1、MMTの教祖たちの日本経済への理解はかなり雑なので真に受けてはいけない。

2019年6月3日月曜日

三兵戦術の集大成がわかる『戦闘技術の歴史4 ナポレオンの時代編』

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戦闘技術の歴史」の第4巻は、ナポレオン・ボナパルトの時代を取り上げていた。戦闘技術がテーマだけに、オラニエ公マウリッツ~グスタフ2世アドルフ~ナポレオンと続いた歩兵/砲兵/騎兵と兵科を分けて運用する三兵戦術の発展に関わる記述が大きな比重を占めている。ナポレオン時代のフランス陸軍が強力なのは、野戦砲の性能向上が実現されたところに、軍の機動的運用が実現されたためであったことがよくわかる。