クーリエ・ジャポンの「すきやばし次郎の「ミシュラン落ち」 海外での報道は過去の発言に注目が…」と言う記事で紹介されていた、著名寿司店「すきやばし次郎」店主の小野二郎氏の「月経周期が女性の味覚を変えるので、女性は寿司職人に向かない」と言う趣旨の過去発言が、非科学的な女性蔑視だと話題になっていた。
この発言、女性蔑視かも知れないが、実は非科学的とも言えない悩ましいものである。検索すると黄体期と卵胞期はともかく、月経期は味覚の一部(酸味、甘み、うま味)が変化することを主張する報告を見かける*1。被験者も少ないしfile drawer effectもありそうなテーマなので有力説かは定かではないのだが、28日につき7日間程度、味覚が狂うとすれば、料理人として問題が無いとは言い切れない。
味覚が狂う程度が分からないし、オペレーションの方法によっては調理中に味見をしなくても済む*2ので、女性が寿司職人に向かないとまで言えるのかは定かではないし、喫煙者の料理人は多く、料理をするのに味覚はそう重要ではない気もするが、生物的に味覚が狂うのであれば、それはそれで事実として直視しないといけない。
*1喜多村・小原 (2009)「女子大生の月経周期における味覚感度の変動」など、色々ある。
*2ただし、テレビ番組などで紹介される和食の厨房では、味見をして調味料の調整をしているのを見る。
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