2013年5月10日金曜日

イギリスとロシアは歴史的には我が国のモノ by 中国人

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人民日報で、琉球王国が朝貢国だったことを理由に、ある中国人研究者が沖縄は中国に領有権があると主張しているそうだ(産経ニュース日経)。共産党機関紙なので尖閣問題に関する反応の一つと見なせるが、いつもの通り狙いが良く分からない。

まず、論理構成なのだが、朝貢は実態としては貿易なので領有権の主張にはならないし、清代だけでも中国に朝貢した国は、他に朝鮮やベトナム、イギリス、ロシア、バチカン、オランダ、ポルトガル・・・とある。朝貢を理由に領有権を宣言するならば、中国はイギリスとロシアの領有権を主張しないといけない。無理がありすぎる。

次に、時事通信社が1964年の中国側の外交文書で毛沢東が沖縄が日本に帰属していることを掘り起こして来たが、米国も即座に日本の領有権を確認する声明を出しており、だんだんと沖縄県民も中国側の態度に嫌気がさしてきたようだ(沖縄タイムス)。

中国がそれを踏襲する気があるのかは分からないが、近代国家として領土権を主張する根拠として認められる論法は限られており、その論法に従わないと、周辺国の警戒心をひたすら高めることになる。武力制圧をするのであれば、黙って襲えばいいわけで、色々な意味で中国の外交目標は混沌としていっている。

追記(2013/05/11 10:27):コメントで『人民日報「沖縄も中国に領有権」の記述なし』と言う記事を紹介してもらった。問題の論文中で、明確に領有権を主張しているわけでは無いようだ。

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