2013年5月7日火曜日

ミシンでビルが崩れるならば

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死者610名を超える大惨事になったバングラデシュのビル崩壊事故だが、ビル上層階の自家発電機4台と、ビル内の縫製工場従業員が使っていた千台以上のミシンが、停電後に一斉に作動して振動を起こしたことが事故原因となった可能性が指摘されている(MSN産経ニュース)。無理な説明に思えるかも知れないが、ミシンの強制振動数が建造物の固有振動数に一致したら、崩れるかも知れない。

地震国なので疑う人はいないと思うが、構造物は揺れる。揺れ方は、物凄く単純には以下のようにモデル化されている。

yが揺れ幅(変位)、ωが固有振動数で、kが抵抗、tが時間になる。kが大きいほど剛性があると考えていい。この微分方程式を解くと以下のように、たぶんなる。

どう解釈していいのかが分からないのだが、シミュレーションしてみると以下のような動きになる。

0時点で衝撃が加わっても、揺れながら収束していくのが分かる。

この振動運動に、強制振動が加わるとどうなるのであろうか。右辺のゼロを、余弦波を表す強制振動に変えてみよう。

βが強制振動数、F0は定数だ。

この微分方程式を解くと・・・定係数二階非同次方程式なので、数学的に解くことも可能ではあるが・・・手間隙がかかるので、yをy1、dy/dtをy2と書き直して、連立式にする。

これをRのdeSolveパッケージで計算してみよう。図の見栄えを勘案し、F0=0.35、β=1.00、k=0.02にした上で、ωが0.1、0.9、1.0の三種類をプロットした。

強制振動は同一なので加わっている力は同じなのだが、ωによって揺れ幅が大きく変わる。なおω=1.1などにして、βより少し大きな値にしても、振幅はβ=ωのときほどでは無い。

開発途上国では建築規制が甘いため、建物の強度もさることながら、固有振動数を気にしない設計がされる事がある。1995年の三豊百貨店崩壊事故が有名だ。先進国でも昔は同様の事故があった。1940年に米国のタコマナローズ橋が強風に煽られて崩壊したビデオが残っている。

高校の微分方程式の教科書に載っていそうな話だが、社会的に良く認知されていないと、こういう事故は起きる。新自由主義者だったら強度計算をしてからビルに入居しろと言う事になりそうだが、一般に構造計算などできない人が多いので、規制を厳しくする方が現実的であろう。

大量のミシンを動かす場合は共振しないように、異なるメーカーの製品を導入すべきだ(´д`)

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