2011年7月11日月曜日

再生医療で作られた臓器が初めて癌患者を救う

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スウェーデンはストックホルム、カロリンスカ大学病院の外科医によって再生医療で作られた気管が、末期気管がん患者の男性に移植された。この人工気管は、生物反応器(bioreactor)の中で患者自身の細胞と多孔質ポリマーの足場を使って、完全に研究室で作られたものだ。患者は完全に回復し、一日中に退院の見込となっている(Technology Review)。

患者の骨髄から採取された幹細胞が、ロンドン大学のナノテクノロジー・再生医療部のAlexander Seifalian教授に率いられたチームによって作られた足場の上に載せられ、ハーバード生物科学部の生物反応器で2週間をかけて気管に培養された。もちろん気管に誘導する薬剤も投与されている。気管は相対的にシンプルな構造なものの、再生医療で作られた臓器移植に成功した初の事例となる。初回であったため時間をかけたものの、将来的にはCTスキャンから二日で足場を作れるようにできる見込みのようだ。

再生医療による臓器移植は、ドナーのいる従来型の臓器移植と比較して、副作用の可能性が無く少ない適合者の中からドナーを見つける苦労が無い。動物実験では肺や心臓も試みられており、一定の成果をあげている(関連記事:臓器再生技術が発展中!ラットに生体人工の肺が移植される)。将来的には違法な臓器売買による事件や、奇跡的にドナーが見つかる話も聞かなくなるのかも知れない。

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