2010年12月13日月曜日

新兵器開発中!米海軍が電磁投射砲を撃つ

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米海軍が電磁投射砲(レールガン)の実験を公開した。海軍は、2005年から2億1100万ドル(約177億円)をレールガンに投じて来ており、2008年2月にも実験している。今回は33Mジュールと、前回の3倍の電力を用いているそうだ(FOX NEWS)。

銃口初速は、前回とほぼ同じだが、マッハ7(約2,382m/s)を超える。これは、90式戦車120mm滑空砲の472m/s、アサルトライフルAK-47の730m/sを大きく上回る。160Km以上先の目標に数分で到達する計算になるそうだ。現在の海軍の砲は約20Kmの射程しかない。なお初速では、時速160Kmで1トンの車を33台ぶつけた威力に相当するそうだ。

レールガンは、電流を流したときにかかるローレンツ力によって弾を発射する。つまり、二本のレールの間に伝導体の弾丸を挟み電気を通すことで、弾丸を射出する仕組みだ。中高で習うフレミング左手の法則を思い出した人もいるだろうが、まさにその原理で力を得る。19世紀には構想があったが、膨大な電力を消費するため、1960年代以降に本格的な研究が行われるようになった。もちろん火薬は使わない。

米海軍では、GPSで狙いをつければ回避不可能な高速弾になる上、危険物である火薬を運搬する必要もなく、物流上も有利な兵器になると考えている。ただし、まだ色々と課題も多く、発熱で砲身が溶けてしまうそうだ。一定速度を超えたレールガンの砲弾は、プラズマ化することが知られている。砲弾の材質や形状も工夫しないと、砲身から出てきたときに、空気抵抗で発する熱で壊れてしまう。もちろん膨大な電力も必要で、まだ現実的ではない。また射程を320Km以上に延ばし、毎分6~12発の発射を望んでいるが、まだ到達には時間がかかるそうだ。海軍では、2025年に艦艇への搭載を目指している。

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