2010年12月7日火曜日

米スマートフォン契約者シェア調査における調査会社による数字の違い

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Apple iOSとGoogle Androidのプラットフォーム競争は、ユーザーと言うか、マーケティングの専門家の関心事項になっている。

調査が出るたびに勝敗をつけて、プラットフォームの優劣を分析する。ユーザーは優劣をつけてから購入を決めるので、考え方が逆になるわけだ。この数字からモノを考える奇妙な作業にも色々とノウハウがあって、素人と玄人が分かれる傾向がある。

例えば、大抵の利用者調査はサンプリング調査になるため、バイアスが入り数字がずれがちだ。NielsencomScoreの2010年10月の契約者シェア調査の数字も、シェア順位があわないものになっている。

1. comScoreとNielsenで10月の契約者シェア順位が異なる

両方の数字を、一つの表にまとめてみた。

スマートフォンOS別の契約者の割合
OS 調査会社 7月 10月 変化
RIM BlackBerry comScore 39.3% 35.8% -3.5
Nielsen 31% 27.4% -3.6
Apple iOS comScore 23.8% 24.6% 0.8
Nielsen 28% 27.9% -0.1
Google Android comScore 17.0% 23.5% 6.5
Nielsen 19% 22.7% 3.7
Microsoft Windows Phone comScore 11.8% 9.7% -2.1
Palm comScore 4.9% 3.9% -1.0

傾向として、comScoreがRIM BlackBerryのシェアを高めに、Nielsenが低めに出してくるように思えるが、Apple iOSとGoogle Androidの関係は7月と10月の調査で同じ傾向は見られない。

2. comScoreとNielsenも変化の傾向は同じ

調査手法が明記されているわけではないが、Nielsenは2万人弱の調査になっており、comScoreはインターネット市場会社であるため、どちらもインターネット経由での調査パネルからのデータだと思われる。

パネルは複数期間に渡り同一の回答者に同じ質問を答えてもらう方法で、市場の変化を把握するのに優れている手法だ。パネルであれば、母集団に偏向があっても、傾向は似てくるはずである。

確かに7月と10月のシェア変化を見てみると、RIM BlackBerryが減少傾向で、Apple iOSが±1%範囲の動きで横ばい、Androidが上昇傾向にある点は共通している。Androidのシェア拡大幅に差があるが、これは母集団の男女比や年齢層が異なるのかも知れない。

3. 社会調査に入るバイアスの典型例になる

Nielsenは1923年設立の老舗の市場調査会社で、comScoreは1999年設立のインターネット市場調査の会社だが、どちらも業界ではプロ中のプロなので手法に大きな問題は無いであろう。この手の社会兆者は、どんなに頑張っても、全数調査でも無い限りはバイアスが入る。

しかし、幾つかの調査が同時に同じ目的で行われる事は稀で、調査ごとのばらつきが実際にどの程度あるものかを知る機会は少ない。そういう意味で、NielsenとcomScoreの数字の違いは興味深いものがある。もちろん得られる教訓は、短月の数字だけではなく、時系列で見た傾向も判断に入れることが大事だと言う事だ。

なお、差分を元に解釈をすれば、NielsenでもcomScoreでも、2010年末か2011年初頭にiOSとAndroidの契約者数シェアが逆転する趨勢にあるのは変わらない。もっともクリスマス商戦は、各社とも色々と施策を打っている来る。年末年始で大きくトレンドが変化しがちなのも事実だ。

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