2010年9月3日金曜日

スーパーバクテリアは自己犠牲で仲間を救う

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抗生物質の効かない、NDM1という遺伝子を持つスーパーバクテリアがインドから発生し、欧州や米国に広がって問題になっている(読売新聞)。他にも近年は、医療関係者はMRSA等の抗生物質耐性菌の増加に心配を募らせている。この厄介な抗生物質耐性菌の行動に関して、Mail Onlineが興味深い習性を伝えている。

Nature誌に投稿された新たな研究によると、研究室の環境では、大腸菌に次のような現象が観測されるそうだ。抗生物質が投与されると、最初は突然変異体だけが抗生物質への耐性を持つ。その後、突然変異体はインドール(C8H7N)と呼ばれるシグナル伝達分子を生成することで、他の大腸菌が抗生物質への耐性を持てるようにする。しかし、インドールの生成は突然変異体を弱め、突然変異体の増加率を不良にする。つまり、突然変異体は自己犠牲を伴うインドールの過剰生産を行い、抗生物質に弱い他の菌を守っていると言える。

研究チームのリーダーである米国ボストン大学のJames Collins教授は、「耐性菌だけが生き延びて、その他の菌は死滅すると予測されていたが、耐性菌以外の菌が生存するだけではなく、繁殖している事に驚いた。」と述べ、耐性菌の研究に関して再考を迫られているとも示唆している。「この利他的な行動は、増加している単細胞の組織が集団として行動している実証研究を支持している。集団レベルの行動の研究は、重要な新しい進化のダイナミクスの理解を導くと考えている。」とCollins教授は語った。

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