2024年11月27日水曜日

ジェンダー学者の田中東子氏への非難の多くは、誤解や曲解に基づいているよ

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

オープンレター「女性差別的な文化を脱するために」に賛同した人物なので、発言が曲解されて非難されているのは因果応報な気がするが、ここ数日*1吹き上がっているフェミニスト学者の田中東子氏への非難が適切な批判とは言えないので指摘したい。

黒澤多香子(@takako_Z)氏の飼い猫の写真が同じであったこと、黒澤多香子氏がアップロードした写真に田中東子氏の本名のIDカードがあったことから、黒澤多香子が田中東子氏の裏アカウントだと発覚した*2のだが、それで田中東子氏がBL作品を楽しむばかりか、商業BL作家でもあることが判明した。多彩な才能といったところだが、女性向けエロ作品を書いたり楽しんでいたりしたのに、ジャニー喜多川氏の性加害問題を非難し、萌え絵や男性向けエロの全面的な排除を主張していたのは二重基準ダブスタだと言うような非難されている。

ジャニー喜多川氏の性加害問題は実在児童への性虐待問題であり、架空のキャラクターの架空の物語であるBL作品とは同列に議論できないのでダブスタにならない。支離滅裂だ。そもそも 誤解に基づいている。田中東子氏は萌え絵などに関しても、ゾーニングすべき(かTPOを考えろ)と言うぐらいの主張しかしていない。田中氏を批判している人々が添付している新聞記事などを参照しても、「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーンの絵に関して、「広告を特定の層だけに届けるのは難しく、不特定多数を想定して作る必要がある」「強調点をどこに置くのかが問題だった」「規制や基準を設けるのではなく、議論を積み重ねて共通見解を作りあげていくことが何より大切」といった程度のことしか言っていない。

田中東子氏の主張に対しても、問題になった絵も乳房を強調しているとは言えないというような反論はあるとは思うが、田中氏の議論は慎重なもので、BL作品の愛好や執筆自体を悪事とするようなものではなかった。論敵の印象が悪くなるように論敵の発言を捏造したり戯画化したりすると、名誉毀損になる。田中氏への批判者は、自分の主張にしっかりした根拠をつけられているか、よく振り返るべきだ。

*1だいぶ前に流れていた田中東子氏の著作への批判ツイートなどは概ね穏当に思えた。ただし、私は著作全体の内容は確認していない。

*2東京大学大学院田中東子教授と竹田恵子先生(ジェンダー)について|暇空茜

0 コメント:

コメントを投稿