深刻な停滞と混乱を理由に、県議会に全会一致で不信任決議が出された斎藤元彦兵庫県知事だが、失職後の知事選に出馬し再当選に至った。現状、県議会の他、県職員や兵庫県内の大半の市長が斎藤氏に不信感を抱いている状況で、斎藤知事は地位に返り咲くことに成功した。しかし、民意を得て安泰となるとは限らない。
問題の発端の一つとなったパワハラに関しては百条委員会で審査中であり、多数の県職員の証言の他、斎藤知事の音声データが提出されている*1。知事を擁護する会派がいなかったことからも、斎藤知事のパワハラを認定することは難しくなさそうだ。パワハラの存在が確認されれば、対象事実を信ずるに足りる相当な理由があったとなるので、自殺した県職員の告発文は公益通報となり、斎藤知事の怪文書の犯人探しと、県職員の退職人事の取り消しは、公益通報者保護法違反となる蓋然性が高い*2。
風聞ではパワハラ政治家は多く、パワハラであっただけであれば禊の選挙は済んだので続投と言う流れになってもおかしくはないが、公益通報者保護法違反は地方自治体のガバナンスとして大きな問題になる。県議会も知事選の結果は無視できないであろうが、百条委員会のパワハラ認定を待って再度、不信任案を出すことは政治的に不可能と言うことはない。斎藤氏と懇意の維新の会は反対するかも知れないが、自民党の意向次第で成立する。
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