2013年8月1日木曜日

政治学者・浅羽祐樹の韓国司法についてのエッセイに関して

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拓殖大学国際学部教授の呉善花氏が韓国に入国拒否された事が報道されていた。犯罪暦があるならともかく、言論活動を理由に入国拒否を行うなど非民主的な国家だなと思うのだが、韓国を研究している政治学者にとっては、そうでは無いようだ。韓国を専門とする政治学者の山口県立大学の浅羽祐樹氏の朝日新聞のエッセイを見てそう感じた。

1. 反日化する韓国司法に関する浅羽氏のエッセイ

浅羽氏は、朝日新聞の英文エッセイ*1で、新日鉄住金の戦時徴用賠償裁判、窃盗文化財の返却問題、従軍慰安婦への賠償問題などが懸案事項として上がっており、日本と韓国が東アジアでもっとも安定した民主国家なのに、両国は信頼性を失いつつあると書いている。日本政府はあらゆる可能性を詳細にシミュレーションを行う必要があるそうだ。

2. 選挙制度だけが民主制度を支えるわけではない

選挙制度があれば“安定した民主国家”と言うわけでもない。韓国の民主化宣言は26年前に過ぎないし、2004年まで日本からの情報流入は多かれ少なかれ規制されていた。日韓関係に関連する部分では、社会的に言論の自由は無さそうだ。2004年に李栄薫ソウル大教授、2005年に韓昇助高麗大学名誉教授、2006年に安秉直ソウル大教授の歴史見解に関して、激しい非難が発生している。2004年には親日反民族法が成立し、戦前の植民地支配に協力した人々とその相続人から財産を没収している。

3. 言論の自由と独立性の高い司法も必要

言論活動が抑制されていて、私有財産への配慮が低く、さらに世論におもねる司法の韓国が、“安定した民主国家”なのかは疑問が残る。入国拒否されてしまった呉善花氏の議論からすると反日教育の結果、それに反する見解や事実さえも否定し、民主的な思想や手続きさえも軽んじられるようになっているように思えるし、そう思っている人は多そうだが、浅羽氏は英文記事で反日教育に対する言及はしていない*2

4. 小難しい政治用語で韓国の異常性を相対化されても

むしろ浅羽氏は詭弁を弄して韓国を擁護しているようにさえ思える。現状に関してTwitterで『事情変更の原則』や『強行規範』と言う言葉で出している*3のだが、韓国側が主張する変化した事情が何なのか、条約拘束力を上回る規範が何なのか具体的に示していないからだ。浅羽氏は韓国に留学していたこともあるし、韓国シンパなのだろうなと思うが、韓国の異常性を両論併記で相殺しようとしていないか?

5. 浅羽氏には韓国は異常に見えないのであろうか?

素人目には民族抹殺を試みたナチス・ドイツと、日本の韓国併合を同列に扱おうとする韓国の政府や世論は異常な側面があって、日本人としてはその異常の原因を知りたい。浅羽氏の議論では、そういう部分は無視されている。「韓国児童の反日絵画」などをどう思っているのかは知りたい所だ。入国拒否されたら、研究活動に支障が出るのかも知れないが

6. シュミレーションした先にあるものは?

浅羽氏は日本はあらゆるシミュレーションをして備えろと政策提言するのだが、具体的にとれる政策オプションは提示されていない。韓国からの軍事侵攻や、日韓基本条約が破棄される可能性まで考えるべきなのは分かるが、韓国シンパの学者ならば、日韓関係をなるべく希薄にしていく以外の有効な手段を提示してもらいたい。従軍慰安婦問題で韓国側の主張を全面的に認めて、謝罪と賠償を行えと言いそうではあるけれども。

*1'Promises and trust' needed in Japan-S. Korea relations - AJW by The Asahi Shimbun

*2もちろん是非はともかく、反日教育ではないと言う主張もありえる。

*3こんなツイートをしている。

1 コメント:

泰成 さんのコメント...

 彼の中では「早く、日本は韓国の言う事聞け。当たり前の話だろ」と言いたいと思いますよ

 だからといって、彼に従う必要はないけど

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