2012年4月26日木曜日

厚労省の公的年金負担の世代間格差に関する主張のバカさ加減について

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これを書かされた厚生労働省の官僚も、馬鹿過ぎて涙を流しながら書いていたと思う。

内閣府が計算した年金の給付と負担の世代間格差について、厚生労働省が必死の反論をしている(日経)。これはその反論内容の資料なのだが、意味不明で全く理解できなかった。

一橋大学経済研究所の小黒一正氏が真面目に検証しているが、ぱっと見からしておかしすぎる。

【問題点1】保険給付の期待値を計算することの問題?

公的保険制度で低リスクなのだから、そこを評価しろと主張している。しかし、世代間の負担の違いを評価するのだから、期待値評価でもリスク・ウェイトを入れても条件は同じなので、結局は同じになる。

【問題点2】割引率の問題?

利回りで割り引くのが不当だとしている。しかし、割引率は公的保険料を払わずに独自に貯蓄を行った場合の期待収益率をあらわすので、利回り以外で評価のしようがない。

【問題点3】100年後の医療や介護?

今の若人が高齢者になるまでの医療や介護の費用を計算しているが、100年先の医療、介護の姿を想像できないと批判している。正確な予測ができないからと言って試算をするなと言うのは、出たところ勝負過ぎるだろう。全く分けが分からない。

【問題点4】事業主負担の扱い?

社会保険料支払に事業主負担を含めているが、妥当ではないとしている。事業主負担が無ければ労働コストが安くなるので、賃金が増えたり、雇用量が増えたりする。労働者に還らずとも、株主への配当が増え、消費者に還元される事になる。だから事業主負担も計算する必要がある。

【問題点5】引き算がいいの?割り算がいいの?

(保険料-給付金額)ではなく、(給付金額/保険料)で指標を作れと主張している。単に損得基準が0になるか、1になるかの違いで、全くもって意味が無い。

厚生労働省で何かが起きている?

「どんなに若い世代に負担をかけても現行制度を死守します!宣言」はマクロ経済学者の島澤諭氏の評論だが、少し好意的に解釈しすぎだと思う。誰かに反論を強制されて、必死に何かを書いてみた作文であろう。ここまで来るとコミカルな感じさえする。一体、厚生労働省で何が起きているのであろうか?

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