日本ではコンビニでレシートを受け取らない人は多いが、台湾ではそうは行かない。消費税インボイスが導入されているからだ。
台湾の消費税は正確には営業税と言うのだが、売買をしたときに販売者が購入者に統一発票を発行するのが特徴だ(Wikipedia)。売上偽装による脱税防止策だが良くできている。
この統一発票の電子版(電子統一発票)の普及キャンペーンの景品としてiPad 2が準備されていたそうだ。
1. 法人には節税のための必要書類
購入者が営利団体向けの統一発票は三枚つづりになっており、購入者・販売者の会社名と統一番号(法人登録番号)を記入した後に、販売者が一枚を保存して、購入者に二枚を渡す。購入者はうち一枚を、税務上の経費にするために、税務署に提出する。税務書は販売者の売上と購入者の経費を付き合わせる事ができる。売上を誤魔化せば購入者の一枚から、経費水増しをすれば販売者の一枚から辻褄があわない事が分かる。
2. 消費者にとっては宝クジ
購入者が非営利団体、つまり一般消費者の場合は二枚つづりになっている。一般消費者が統一発票をもらっても仕方が無いのだが、2ヵ月ごとに抽選が行われ、最高で懸賞金(200万台湾ドル≒557万円)が支払われる仕組みになっており、統一発票の普及促進を図っている(みずほ総合研究所)。
3. 日本での導入は反対団体が多数
現行の帳簿方式との違いは、企業間取引においては『統一番号』や取引番号で、購入者と販売者の履歴の突合せが容易になる点と、消費者向けのサービスなどの売上補足を直接行える点が異なっている。台湾はこれで脱税を大幅に減らしたそうだ。
日本でも真似すればいいと思うが、日本税理士会連合会、日本商工会議所、全国商工会連合、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会は、事務手続きの煩雑化を理由に反対をしているようだ(経済産業省)。もちろん、領収書やレシートを出しているのだから、説得力は無い。
4. 電子統一発票の普及キャンペーン
効率的に思える台湾版消費税インボイスである統一発票だが、日本の領収書やレシートでも同じなのだが、大量に紙が必要になる欠陥があった。そこで、電子統一発票が利用できるようになった。従来型のインボイスよりも、紙の消費量を抑えられるそうで(下図の左側が従来型、右二つが電子インボイスの控え)、税務署や指定金融機関に統一発票を持ち込む必要が無いなど、事務手続きも簡素化されているようだ(魯(2010))。
この電子版消費税インボイスの1億枚目にiPad 2が景品としてつけられており、2011年12月27日(木)の午後12時30分にコンビニエンス・ストア(OK Mart, Dadong Road in Taipei's Shilin district)で買い物をした人のインボイス番号YG85644046が該当するらしいが、まだ引き取り手は現れていないそうだ(WantChinaTimes.com)。控えを無くしてしまったのであろうか。なお台湾の主要コンビニエンス・ストアは電子インボイスに対応しており、また電子マネーの導入にも熱心のようだ。
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