2017年2月13日月曜日

高齢化の影響を除外すれば、日本も成長している

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ネット界隈には今の失業率でも景気が悪いといい続けている人々は相当数いて、最近はその根拠として日本だけ一人あたりでも成長していないような事を言っている。確かにGDP成長率どころか、一人あたりGDP成長率でもぱっとしない数字が出てきているのだが、どちらも少子高齢化の影響を受けている事に気づいていないようだ。かつて白川日銀総裁(当時)が指摘していた事の請け売りだが*1、生産年齢人口一人あたりのGDPで見ると、少なくとも現在の日本経済は悪くは無い。

かつて白川氏が示したグラフだと、恣意的に期間を切り取っているように思われるらしいので、期間を長くしてバブル崩壊直後の1994年から2013年までの(古めかしいカテゴリーではあるが)先進七カ国のGDP水準の推移を、1994年を100と正規化して見てみよう。

他国に追いついているので、日本だけ成長していないと言うことは無く、1998年以降の金融危機の影響からの回復に過ぎないと言うこともない。高齢化で熟練労働者が増えた、女性の労働参加率の上昇で労働投入量が増えた*2などの要因は色々あるであろうが、日本だけ一人あたりでも成長していないと言うのは、少子高齢化の影響を忘れてしまっている。また、リフレ派の皆様は、デフレ不況で「失われた20年」が生じたと主張しているわけだが、過去の統計でデフレーションとマイナス成長が同時に生じたのは1998年と1999年に限られる事がわかる。

なお、2013年は少し古いデータになるので*3、2014年から2016年がどうなっているかが気になると思う。実際に数字を取って確認する必要はあるが、少なくとも日本は好調であるから、G7の中では上の方の成長率になっていると見なして問題はないであろう。未だにデフレで不況が続いていると景気対策を求める人々がそれなりいるのだが、完全失業率で見ても、経済成長率で見ても、既にそういう経済状態にない。

*1同じ話を延々とエントリーにしている気がするが、気にしないでください(関連記事:生産年齢人口から「失われた20年」を振り返る, 今後10年の経済成長は単純予想で年率0.6%)。

*2労働時間あたりの生産性でみると、生産年齢人口一人あたりで悪い1998年や1999年も向上しているので、単に労働投入量が増えていると言う訳ではない(関連記事:GDPの改訂によって、ここ4年間の経済が明るく見える)。

*3OECD Statisticsに載っている直近ではそこまでしか取れなかった。

2 コメント:

asd さんのコメント...

私も前回と同じ話で恐縮なのですが、「総需要が充足している中でこういった状況」なのか、「総需要不足下でこういう状況」なのか、それによって解釈は全く変わると思うんですよ。

uncorrelated さんのコメント...

>> asd さん
このエントリーでは、日本だけ成長していない論を批判しているだけで、それ以上の話はまた別です。

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