2013年4月22日月曜日

物理がわかる実例計算101選

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先月に出た本で、まだブログなどでレビューが多くはされていない「物理がわかる実例計算101選」を見てみた。俗に言う理論値の計算を多く紹介している本で、学習教材として物理理論の応用の仕方、もしくは小ネタ集になっている。出版社の紹介文曰く、こういうのを“封筒の裏の物理”と言うらしい。

紹介されている例を幾つかあげると、交通事故でどれぐらいの衝撃が人間にかかるか、飛行機の揚力はどの程度の大きさか、光学顕微鏡の限界はどの程度かを物理公式を使って示してくれる。野球やアイススケートに関連する知識もあるし、公式に忠僕的なモノ知りになれる。

公式に忠僕的なと言うのは、本書でも指摘されているのだが、あくまで基本的な物理の公式をあてはめたときの値が出ているので、近似として悪い数字ではないと思うが、実際におきる現象とは乖離がある。野球のピッチャーの話では空気抵抗が無視されているし、光の波長による可視光領域の分解能の限界も、最近の光学顕微鏡では絶対ではないようだ。

トピック数にしては分量は薄く、手にとったら驚くかも知れない。物理現象や物理公式自体の説明はほとんど無いので、ものによっては疑問が増える。例えば物理公式にしたがって揚力があることが前提に、飛行機の揚力の大きさを計算したりするので、揚力が何か疑問に思うかも知れない。

筋道を立てて知識を入れる本と言うよりは、知識の表現の仕方を覚えるための本と言えるであろう。検索すると色々と説明や実験動画が出てくる時代なので、インターネットを併用しつつ読んでいくと、それなり楽しい読書になると思う。何はともあれ、それらしい数字の計算って楽しいものだと、認識させてくれる。

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