2013年1月20日日曜日

浜田宏一・米イェール大学名誉教授がノーベル賞経済学者クルッグマンをマトモでは無いと断罪

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浜田宏一・米イェール大学名誉教授のスピーチが話題になっている。量的緩和と為替レートの関係や、エルピーダ破綻の議論で批判的な意見が見られる。非伝統的な金融政策を推進する一方で、財政出動には懐疑的であるのが分かれば十分だと思うが、調子に乗っている気配があり大丈夫かと思った人が多かったようだ。

個人的に気になったのは、次の一節だ。

人口減がデフレの要因であると言った人は、まともな経済学者では存在しない。

ノーベル賞経済学者のクルッグマンのIt's ba+k!論文(山形浩生訳)から以下の部分を引用したい。

人口学者の予測では、来世代の人口はいまの世代の人口より小さくなると予測されたとしよう。だから労働力も、そして(労働の需要が弾性的だとして)土地の実質価格も下がる。もしそうなら、土地はプラスの限界生産を持つけれど、土地への投資の期待収益は、原理的にマイナスになり得る

将来人口予測が資本収益率を負にするので、均衡実質金利がマイナスになり、流動性の罠にはまると議論している節になる。Krugman(1998)は、Eggertsson and Woodford(2003)の元ネタであるし、この文脈では無視してはいけないであろう。

なお、実際には大きな減価償却が起きないとマイナスにもならないと思われている*1が、人口減少が実質金利の低下をもたらす所までは、そう奇妙な議論では無い(関連記事:世代重複モデルで見る少子高齢化と利子率)。

*1平田(2012)を参照。

3 コメント:

POM_DE_POM さんのコメント...

細かいツッコミですが。

>人口減少が実質金利の低下をもたらす所
均衡実質金利の低下でしょうか?


浜田氏については他にも、流動性の罠を無視しているように見えます。
というより、そこを無視するから人口減少の影響も一緒に無視しているのかも知れませんが。

uncorrelated さんのコメント...

>>POM_DE_POM さん
>均衡実質金利の低下でしょうか?

均衡実質金利です。Diamond(1965)だと自然に達成されますが。

> 浜田氏については他にも、流動性の罠を無視しているように見えます。

たまたま忘れちゃっているのでしょう。
基本的にはKrugmanやWoodfordの主張を踏襲しているように思えます。

teruduki さんのコメント...

浜田とクルーグマンの見解に本質的な差はないと思いますけどね。

>日本経済における大きな問題は少子高齢化にある。その結果、投資需要は縮小し、それが実体経済に多大な影響をもたらす。
>しかし、そうした条件下の経済ではデフレになるのが必然である、という考え方は間違いだ。むしろ、だからこそ実質金利(名目金利-期待インフレ率)を大きく引き下げ、あるいはマイナスにしなければならない、と考えるべきではないか。そこではインフレが必要とされている。
http://shuchi.php.co.jp/article/1656

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