自己修復するコンクリートを、オランダのデルフト技術大学の微生物学者Henk Jonkers氏と、コンクリート技術者のEric Schlangen氏が開発中だとBBCが伝えている。JR東日本、東大の岸利治准教授、横国の細田暁准教授が共同開発したものとは、細菌を用いる所が異なる。
コンクリートは最初はアルカリ性なのだが、空気中の二酸化炭素を吸収して徐々に中性化していき、内部の鉄筋が錆びて誇張することでヒビ割れが発生し、そこから劣化が急速に進むことになる。最初の微細なヒビ割れを防止することができれば、コンクリートの寿命を延ばすことができるであろう。
細菌型自己修復コンクリートには、不活性化したバクテリアの胞子とその栄養が混ぜられており、ヒビが入って腐食性の水分が内部に進入してくるとバクテリアが目覚めて活動し、石灰岩を生成することで、0.5mm程度の幅のヒビを埋めることができるそうだ。JR東京らのモノは0.2mm程度だったので、より高性能となる。
いざと言うときにはバクテリアが死んでいたりするのでは無いか心配になるが、現在は屋外テストを実行中で、早ければ2~3年後から実用化されるそうだ。コンクリートのコストは50%増加することになるが、コンクリートは建設費用の1~2%を占めるに過ぎず、メンテナンス費用などを考えれば、より経済的だそうだ(関連記事:コンクリートを修復する細菌)。
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