リーマンショック後の韓国経済が、インフレ気味で実質GDPが伸びているのに実質賃金は伸びておらず、韓国国民の不満が高まっていると言うディスカッションがあった。
インフレが不満なのか、実質賃金が伸びていないのが不満なのか、もしくは所得再配分に不満があるのかは見解に相違があるようだが、そもそもそんなに不満が募っていないのかも知れない。
韓国政府が「外国人経営者のための労務管理マニュアル」と言うのを出していて、そこに雇用・労働市場の現状が記載されている。インフレ率や実質賃金の上昇率と、労働争議にそう強い相関があるようには思えない。
年 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 |
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労働損失日数 | 1,200,567 | 536,285 | 809,402 | 626,921 | 511,307 |
インフレ率 | 2.09 | 3.61 | 4.14 | 2.80 | 3.03 |
実質賃金はリーマンショック後に落ち込んだあと伸びは抑えられているが、失業率は横ばい程度になっており、むしろ2012年の方が労働争議が増加しているらしく、危機の後の方が労使間の戦いは厳しくなるようだ。
なお、韓国はインフレターゲティング採用国ではあるが、必ずしもインフレ抑圧のために金利引き上げに踏み込んでいるわけではない(関連記事:信頼が置けない韓国のインフレ・ターゲティング)。インフレよりも、景気悪化の方が政情不安につながると考えたようだ。
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