The Economistが、アメリカ経済について興味深い指摘をしている。つまり、1950年代には資格が必要な職業についていたアメリカ人は5%に過ぎないが、現在ではほぼ30%の人間がライセンスが必要な専門職についている。資格取得を目指す人や、許認可が必要な人を含めると38%に昇るそうだ。他の先進国、例えば英国では13%にしか過ぎないが、それでも12年間で倍増しているらしい。
人口比における医者や看護婦が増えたわけではなく、ツアーガイドやインテリア・デザイナーなどの直接、安全や健康の脅威にならない職種で資格が必要になっているそうだ。これらの資格取得は容易ではなく、長時間のトレーニングや多額の費用が必要になるケースもあるため、『規制緩和』の数十年間で、逆に規制が強化されたと言うのが同誌の論調だ。官僚主義の強化と言えるかも知れない。
米国では州間で規制が大きく異なる部分もあるため、資格制度の有無による経済的影響も評価する事ができる。ミネソタ大学のMorris Kleiner氏によると、資格が必要な職業は、他の職業よりも賃金が高く非競争的で、人口流動の損害にもなっており、人種格差や男女格差の原因にもなっているそうだ。粗悪な業者が増加すると、逆選択により市場が崩壊することもありえるが、資格制度が失業率の増加に加担している可能性さえある。
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