2011年4月24日日曜日

土壌中の放射線濃度が下がらない理由

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政府が事故後一ヶ月を過ぎて計画的避難区域を設定した理由は明確にされていないが、推測されるのは、放射性濃度の低下せずに安定している事が原因だと考えられる。理由は恐らく、山間部にあるので周囲からセシウムを含んだ水が流れ込むためだ。

文部科学省の公表データから、福島県相馬郡飯舘村長泥と、双葉郡浪江町赤宇木の土壌サンプルにある、放射性ヨウ素と、放射性セシウムの量をプロットしてみるとそれが良く分かる。半減期の短い放射性ヨウ素が減少しているが、安定している放射性セシウムは増加傾向にある。これは、放射性物質の流入がある事を示している。

1. 飯舘村長泥

ここ一週間は15μSv/h前後で放射性濃度が推移しているが、放射性セシウムは有意に増加傾向にある。特に、20mm程度の雨が降った4月19日以降は、増加傾向が強くなっている。

2. 浪江町赤宇木

ここ一週間は27μSv/h前後で放射性濃度が推移しているが、放射性セシウムは横ばいである。ただし、9mm程度の雨が降った4月9日と、20mm程度の雨が降った4月19日のあと、増加傾向が見られる。

3. 雨が降ると放射性セシウムが流れ込む

分析から分かることは、雨が降ると放射性セシウムが流れ込むと言う事だ。セシウムの化合物は水溶性なので意外性はなく、逆に流出する性質もあると言うことなので、周囲の山が浄化されたあとに、土壌汚染地域が浄化される可能性が強いことを示す。

安全か否かの議論では、年間で20m~100mSvを超える被曝の危険性が認められるため、危険と言って差し支えないだろう。ただし、この地域を放棄せざるを得ないかとか、大規模な人為的な除染が必要かと言えば、安定した上昇基調で放射性セシウムが増加しているわけではないので、その可能性は低いように思える。

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