英単語学習の有名教材であるDUO 3.0に触れる機会があったので、その特徴をまとめてみたい。
以前に英語学習法をまとめたときに、単語や熟語の暗記が重要なことが常識になっている事に触れた。単語や熟語の暗記をどう暗記するかがポイントになるわけだが、DUO 3.0は評価が高いメソッドになっている。
なお、個人的には英語が嫌いなので購入には至らなかったので、あくまで立ち読みした程度の感想であるのは先に述べておく。
1. DUO 3.0の概要
560本の例文を暗記することで、英単語・英熟語を覚えていく英語学習教材だ。『重要単語1600+熟語1000を重複なしで560本の基本例文に凝縮』とある。単なる単語集と異なる点は、音声教材がセットになっている点である。中学校で覚える基本的な英文法を覚えていることが前提となっており、大学受験の補助教材か、英語の学習をしている大学生に向いている。
- 1. DUO 3.0 [単行本]
- 例文、日本語訳、英単語・英熟語がセクションごとにまとめられている。1セクションはだいたい10~14の例文で構成されている。
- 2. DUO 3.0 CD 基礎用
- 例文の日本語訳、英語の例文、例文で使われている単語・熟語、英語の例文を読み上げていく。CD5枚(約300分)で構成されており、1セクションが5~7パート(≒1曲)、1パートが基本的に例文二つで約1分で構成されている。例文の読み上げ速度は、NHK英語講座のレベル3程度。
- 3. DUO 3.0 CD 復習用
- 例文が英文のみで、CD1枚(約60分)で構成されており、1パート(≒1曲)1セクションになっている。例文の読み上げ速度は、NHK英語講座のレベル3程度だが、基礎用CDよりはやや速い。
一つの例文に、複数の単語や熟語が入っているので効率がよいとされる。無理のある文章が多いのではないかと思うかも知れないが、ネイティブ・チェックはされているので、英語的には妥当な例文のようだ。
2. DUO 3.0の使い方
通学や通勤の途中で基礎用CDを何回も聞いて、語彙を増やすためにあるようだ。基礎用CDは、リスニングだけではなく、シャドウィングや、日本語訳からの瞬間英作文、ディクテーションにも使える。
単行本は語彙が十分に無い人のためにオプション、復習用CDは語彙が増えたときのチェック用にあると考えて良いと思う。下に大雑把に、学習者の英語力別の活用法を考えてみた。
- 1. 出てくる語彙の大半を知らない人
- 単行本で書き取りを行いつつ、基礎用CDを何回も聞くのが良いであろう。シャドウィングも効果的だ。復習用CDは不要。毎日6時間ほど集中的に行って、一ヶ月程度の学習時間が必要だと言われている(単語帳DUO 3.0をひと月で終えるために)。
- 2. 出てくる語彙の過半を知っている人/リスニングが苦手な人
- 例文のディクテーションで難易度の高いものはない。よって単行本は不要で、基礎用CDを3回以上聞くのが良いであろう。日本語訳を聞いて、瞬間英作文にトライするのもいいと思う。一巡で約300分かかるので、忘却曲線を考慮すると、毎日約1時間は聞いていないと記憶の定着は望めない。3回聞くとして、3週間程度の時間がかかる。
- 3. 出てくる語彙のほとんどを知っている人
- 例文は易しいので、基本的な単語と熟語に漏れが無いかを確認する程度になる。復習用CDを1回聞いて、不覚にも分からなかった単語を覚える程度で十分である。60分+α程度の学習時間がかかる。
もちろんCNNやBBCを聞いて正しく文章を理解できる人には、不要な教材だ。
3. DUO 3.0の特徴と欠点
効果的に語彙を増やすことができ、その後の英語学習のストレスを減ると思われる。音声教材であるので、リスニング・テスト対策の第一歩としても有効であろう。
ただし、560本とは言え、同じ例文を何回も聴くのは飽きが来る。語彙が記憶に定着するまで、何回もリスニングできるかは、学習者の忍耐力にかかっている。また、全ての英単語集に言えることだが、単語や熟語に偏りはある。お店で"May I help you?"と聞かれても、"I'm just looking."と返せるようにはならない。
総じて見ると、高校生以上で英語をまだ勉強したことが無い人には有益な教材に思われる。出だしの一歩としておすすめしたい。
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