Mail Onlineが北極の白熊が「おんぶ」を覚えたと報じている。
地球温暖化で北極の氷が融解が進んでおり、シロクマは氷の上で生活を行うため、その生息地は年々減少していると考えられている。また単に面積が現象するだけではなく、海の上の氷が細かく分断化されるため、氷から氷へ泳ぐ距離が増えているそうだ。
シロクマの親熊は、断熱性に優れた毛皮を持つため、短距離であれば氷海の遊泳も問題はない。しかし、まだ防寒能力が完璧ではない小熊には、それは生命を左右する問題になりうる。そこで母熊は小熊を背負うことで、小熊が海水に触れる面積を減少させ、小熊の体温の低下を防いでいるらしい。これは、最近まで観察されてこなかった習性だそうだ。
WWF-Canon polar bear tracker programme(ホッキョクグマ衛星追跡プロジェクト)では、2007年からの2年間で563~644Kmほど泳いでいることが確認されている。雄は首が頭より大きく発信機を取り付けられないため、これは雌だけのデータだが、シロクマが泳ぐ距離の手がかりになる。環境保護団体WWFのホッキョクグマ学者Geoff York氏は、このような環境で小熊の生存を助けることは、報告された行動に限らず良い知らせだと述べている。
ただし、親熊にとっても海を覆う氷の溶解は深刻な問題だ。遊泳する距離が伸びるだけではなく、氷の下に隠れているアザラシの捕食が難しくなる事も問題だと指摘されている。もちろん、母熊の栄養状態の悪化は、小熊の生存率の低下につながる。国際自然保護連合(IUCN)は、2005年にホッキョクグマを絶滅の可能性がある「危急種(VU)」としてリストに掲載した(WWFジャパン)。
0 コメント:
コメントを投稿