2008年にサウジアラビアの一歳女児が妊娠していた事が判明した事件を、momlogic.comが紹介していた。
もちろん性行為の結果ではなく、単性生殖でもない。女児の母親が子宮に胚を二つ持ち、発育過程で一つが女児に成長し、もう一つが女児の子宮内に入り込んだ為だそうだ。母親の胎盤内での不幸な事故で、妊娠しているのは彼女の双子と言う事になる。
以下はMY INTERESTING FILESにあったレントゲン写真だが、背骨らしきものを見る事ができる。
この異常は、50万件に1件程度発生すると言われ、この事件までに51件の同種の異常が医学史に記録されているそうだ。ただし、子宮内に入り込む事は本当に稀だ。この珍しいケースでは、胎児は胎盤から栄養をとって生存していたため、大きくなって女児の生命を危険にさらす事になった。
日本人には、手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』で主要キャラクターのピノコが同様の畸形嚢腫から人間となった少女なので、事例としては有名かも知れない。なお、漫画と違って胎児を救うことはできず、女児の命を救うには中絶をするしかなかったそうだ。
追記(2020/07/13 13:50):『ブラック・ジャックの解釈学 内科医の視点』の内容紹介を見かけたのだが、それによるとピノコは厳密には寄生体(胎児内胎児)であって畸形嚢腫では無いそうだ。本文で紹介した女児のケースも、本当は胎児内胎児だと考えられる。
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