2020年3月18日水曜日

新型コロナウイルス感染症の治療薬のニュースを見るときに心に留めておきたいこと

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他の疾患のための認可済みの薬剤を、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に流用する試みが行われており、富士フィルムのアビガン錠(の中のファビピラビル)などの話がぼちぼちニュースに流れているのだが、効くと言っても特効薬とは限らないので注意したい。報道では効果量・副作用・被験者数について言及されていない事が多いし、研究や治験のどの段階かも強調されていないことが多いからだ。後で残念な結果が出てくることは十分あり得る。

例えば「インフル薬「アビガン」有効性確認 新型コロナ治療、後発薬量産へ―中国:時事ドットコム」と言う記事では、有効性を臨床試験で確認したとあるので、特例で一般に投入できることがわかるが、胎児に対する催奇形性の可能性は言及されておらず、また効果量も書いていない。この記事からだけでは、効果量は死亡率が1%ポイント下がるだけの可能性も排除できない。

実際は80名を対象にした臨床実験なので*1、少人数でも識別できるそれなりの効果量が予想されるが、人数が少ない場合は偶発的に効果が確認される場合もある。7種類以上が試されており*2、同じ薬剤を複数のグループがテストしていることもあって、どれかが偶然、統計的に有意なデータを示すことは十分あり得る。RNAウイルスに対して万能感のあるRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬なので、いかにも効きそうなのではあるが。

欧州などでガンガンと投与してくれるであろうから、すぐに本当に効くかは分かる。急いで安心しないように注意しよう。喜ぶタイミングが難しくなるが。

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