2020年2月7日金曜日

英国で婦人参政権を求めた2種類のフェミニスト、サフラジストとサフラジェットの違いって何だろう?

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昔のフェミニストは平和的に権利獲得のために努力していたと言う趣旨のツイートに、文学者の北村紗衣氏が20世紀初めのフェミニストで女性参政権を求めて活動していたサフラジェット(suffragette)はテロ行為やハンストをしていたとリプライし、そのリプライに高橋しょうご氏が、過激派のサフラジェットは一部で穏健派のサフラジスト(suffragist)が大半だったというリプライをしたやり取りに関して、サフラジストとサフラジェットに違いがあるのか疑問に思われていたので、検索してみた。

日本語のウェブサイトだといまいち権威がありそうなところの分かりやすい解説が無かったのだが*1、大英図書館のウェブサイトにWhat is the difference between the suffragists and the suffragettes?と言うそのまんまの解説ページがある。そこを読んでくれ・・・と言う話だが、一応、雑に分かったことをまとめよう。

19世紀後半からフェミニストのグループは女性参政権を求めて活動を平和的で組織された請願活動などを行い出し、サフラジストと呼ばれていた。女性参政権協会全国同盟(NUWSS)のミリセント・フォーセットが代表的なサフラジストの活動家だが、男性も含まれた*2。NUWSSは、1914年までに5万4000人まで構成員を増やした多数派であった。しかし、女性参政権法案が議会を通過しないことに苛立ったサフラジストの一部は、爆弾テロや美術館襲撃*3、ハンスト、はたまた抗議の自殺行為など暴力的な運動に走り、サフラジェットと呼ばれることになる。婦人社会政治連合(WSPU)のエメリン・パンクハーストが代表人物。なお、パンクハーストの路線は過激すぎだと言うことで、女性自由同盟(WFL)がWSPUから分派して、デモや騒動、納税や国勢調査の拒否などマイルドな違法運動を行ってもいる。目標は同じで手段が異なる3派の運動は第一次世界大戦勃発まで続き、1918年に一部の女性に選挙権が、1928年に21歳以上のすべての女性に選挙権が与えられた。どのグループの活動がどう影響力を持ったのかは、書いていないのでよく分からない。

平和的なグループが最初でずっと主だが、攻撃的なグループも確かにおり、両方ともフェミニストとして認識されていると言うのが正解のようだ。さて、元のツイートのやり取りだが・・・ツイートだけにちょっと雑である。昔が20世紀初頭だとすると、男性の立場など考えるまでもなく女性が抑圧されていた社会だし、参政権が無いグループが長期間の活動の末に暴力的な抗議活動に至ったのが、「自分の鬱憤晴らし」よりもひどい行為だと、手段と動機が一緒くたに議論されているのが気になった。

*1権威は無さそうではあるが、分かりやすく詳しい解説ページ「テロリストと呼ばれた女性たち - サフラジェットが戦い、遺したもの」に「Q 女性運動家はみな過激だった?— ほかにも様々なグループが存在していた」と言う項目がある。

*2Oxford Learner's Dictionariesをみると、suffragist は男性を含むが、suffragetteは女性のみのような書き方になっている。

*3関連記事:「鏡のヴィーナス」損壊事件からは、初期のフェミニストが表象の差別性に関心を持っていたとは言えない

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