2013年1月14日月曜日

消費税の軽減税率に反対すべき5つの理由

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消費税の軽減税率導入が現実味を帯びてきた。与党の自民党と公明党は軽減税率導入で一致したと報道されている。米国や欧州などで導入されているのにも関わらず、軽減税率は愚作としか言いようが無い問題が多い。理由を5つ列挙してみよう。

1. 税率の決定が煩雑になる
おもちゃ付お菓子の税率をどうするのかなど、現実の商品は多様で軽減税率の対象選定には曖昧さがある*1
2. 税率の決定が恣意的になる
低所得者に不利な消費税の逆進性の緩和が理由として挙げられているが、実際のデータでは食品よりも自動車の方が所得の需要弾力性が低いなど、消費パターンは非直感的になっている*2。また、理論的な効率性を担保するように軽減税率を導入すると、奢侈品に軽く、必需品に重い税率をかける必要が出てくる*3
3. 税収減で別途増税が必要になる
実は消費税を10%にしても、大幅な歳出削減が無いと基礎的財政収支は黒字にならない*4。軽減税率の導入により実効税率が落ちるので、別途増税が必要になる。
4. 税会計が複雑になる
消費税は消費者負担が原則なので、経費で払った消費税は還付される仕組みになっている。複数税率を入れると、仕入れと出荷の税率の差が出るので、税会計が複雑になる。つまり、流通業者の負担が大きくなる。
5. 低所得者対策は別に可能
給付付き税額控除や社会保険料の減免措置など、低所得者対策は別に可能。軽減税率を導入しないといけない明確な理由は実は無い。

国際的にも軽減税率の弊害は認知されているのが昨今*5で、弊害が認知されている制度をわざわざ導入する理由は無い。軽減税率を主張している政党も、低所得者対策が出来れば選挙民へ言い訳は可能だし、もっと現実的な制度を選択するべきであろう。

*1【図解・行政】海外の消費税の軽減税率(2012年5月)

*2食費の所得弾力性は0.247(95%信頼区間0.185~0.309)と正常財で、自動車は0.096(95%信頼区間-0.250~0.442)と必需品となっている。家計調査報告(家計収支編)の2010年四半期データ1年分から計算。具体的な計算手順は「電気代の所得効果を経済学的に推定する」を参照。

*3関連記事:消費税の軽減税率とラムゼイ課税

*4関連記事:消費税などの増税法案後は社会保障制度の構造改革を

*5軽減税率は世界の潮流でない

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