2013年1月31日木曜日

ハイテク産業廃棄物の輸出問題

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日本のメディアでも何度も取り上げられていると思うが、The Economistがハイテク産業廃棄物(e-waste)の輸出問題を取り上げている。先進国で廃棄されたハイテク産業廃棄物が、開発途上国に輸出され、そこで環境問題を引き起こしているそうだ。

1989年のバーゼル条約で有害廃棄物の越境移動は規制されているのだが、ハイテク廃棄物には金銀パナジウムを含む貴金属や、カドミウムや鉛、水銀を含むために廃棄物受け入れ自体は収益となる。しかし、ベルギーのUmicore社やカナダのXstrata社は高熱炉で溶解させて95%のリサイクルを行っている一方で、中国の業者等ははストーブで茹でて酸で浸出させる方法を取るため、労働者や周辺住民の健康を損なっているのだが、コスト競争力があるようだ。

対策として輸出入の規制や高関税化、環境基準の強化などが検討されているようだが、10年前とほとんど状況は変わっていないように思える。PCやガジェットの普及でハイテク廃棄物は急激に増えており、今後15年間で世界のそれは倍増する予測らしいので、今後はもっと問題が大きくなるのかも知れない。

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