2013年1月25日金曜日

民法改正 ─ 契約のルールが百年ぶりに変わる

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民法改正を推進してきた内田貴氏の「民法改正 ─ 契約のルールが百年ぶりに変わる」を拝読した。

民法の現代化や国際化を訴える内容だが、我が国の民法の成り立ちや、成り立ちに由来する問題点から丁寧に説明しており、法律素人でも読める内容になっている。

我が国の民法は明治時代に書かれたのだが、ドイツの民法法典を真似したため難解な構成になった上に、社会が急激に変化している途上で十分な条文が用意されなかったため、解釈論なしには機能しない難解なものになっているそうだ。

また、当時存在しなかった部分(e.g. 約款)や対応できていない部分(e.g. 消滅時効制度、法定利率)などがあり、また民法で明示されている事が少ないため、契約書に長々と取り決めを書くと言う事務コストがかかっているそうだ。

これらの問題に対処するために、現代化が必要だと著者は主張している。また、国際化に対応する必要もあり、さらに紛争解決で日本法が準拠法として使えるようになれば日本企業が有利になると言うメリットも強調している。

民法や解釈典を読み込んだ人でないと実感が沸かないと思うのだが、議論の前提となる歴史や現代事情の部分が書かれているので、素人でも読んで著者の主張を理解できるものになっている。また、戦前の日本の近代化が法制度の面でも四苦八苦していたのを感じる事ができる意味で、面白い読み物になっている。

悪い意味で、当時とつながっていた事を確認するわけだが、これもまた歴史なのであろう。

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