2011年7月16日土曜日

太陽光発電システムの廃棄物は問題?

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太陽光発電システムの廃棄物が大きな環境問題になるような記述をしているブログのエントリー「自然エネルギーの不都合な真実」を見かけたので、否定しておきたい。つまり廃棄物は発生するであろうが、大半はリサイクルされるので問題にならない。

市販のソーラーパネルはシリコンを用いた物か、Cd-Teを用いた物かに大きく分かれるが、どちらもリユーズかリサイクルが可能だ。Cd-Te系はカドミウムを含むので毒性が危惧されているが、Cd-Teは安定材料で毒性は低く、火災時もガラスに挟まれていればパネル中のカドミウムが流出する事は無いそうだ(光産業技術振興協会)。Cd-Te型の大手First Solar社は損害保険会社と契約してリサイクル費用を蓄えている。

そもそも家庭用の太陽光発電システムに必ず装着されているものではないが、鉛蓄電池もリサイクルが可能な資源だ。車のバッテリーの場合は、日本でも1994年以降はリサイクル制度が存在する(社団法人電池工業化)。資源価格が高騰した2008年頃は車載バッテリーの盗難事件が多発していたが、資源高が続けば再利用による経済性もある。

大量の家庭用太陽光発電システムをメンテナンスし、リサイクルさせるのは難易度が高いように思えるかも知れないが、エアコンや冷蔵庫の設置台数を考えると大した問題ではない。不法投棄対策などを考えれば、太陽光発電システムも家電リサイクル法の対象にするなどの対策が必要になるかも知れないし、欧州のように業界団体で処分方法のガイドラインを策定する必要はあるかも知れないが、必要な制度の立法化にあたりさしたる障害は無い。

問題のエントリーには「太陽光を遮る太陽光パネルは、当然、周辺の生態系に影響を与える」との記述もあるが、住宅やビルの屋根にあるソーラーパネルが問題になるとは思えないし、山間部にメガソーラーを建てても、農地などの他の人工構造物以上の影響を周辺環境に与える事は無いであろう。

1 コメント:

匿名 さんのコメント...

http://ecoliving-problem.net/index.html
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