2011年3月29日火曜日

CO2の25%削減を覚えていますか?

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2009年に民主党の鳩山元首相が、1990年比で二酸化炭素排出量を、2020年までに25%削減する目標を立てた。日本の1990年のCO2排出量は1143.2Mt、2007年は1303.8Mt(GIO 温室効果ガスインベントリ)なので、実際は排出量857.4Mtが目標で、2007年から34.3%程度のCO2削減が必要になる。かなりの大きな経済構造の変革が必要で、政府の関与なしでは達成できない目標だ。

1. エネルギー消費の抑制か、非化石燃料の利用か

当時の鳩山元首相は、生産の縮小無しで、ハイブリッド・カーの促進や、再生可能エネルギーでCO2の排出量を削減すると言っていたのだが、運輸部門のCO2の排出量は ─ 航空機などを含めて ─ 全体の2割程度だと考えられる(国土交通省)。家庭や工場のエネルギー消費を抑えるか、CO2を排出しないエネルギーに代替しないと、CO2排出削減は実現できない

2. 2020年までに十分に利用できる非化石燃料は原発のみ

CO2を排出しないエネルギーは、現状では原発由来の電力しかない。

コストを度外視しても、再生可能エネルギーは利用資源量が少なすぎる。太陽光発電は、完全に普及したとしても発電量の10%程度しか補えないと考えられているそうだ。現在の日本の80箇所以上の火力発電所を風力発電で置き換えるには、12万箇所ぐらいの風力発電所が必要になる。地熱発電は従来型は立地条件が厳しく、まだ研究中の高温岩体発電でも日本の電力の2.5%しか補えない。カーボン・ニュートラルなバイオマス燃料は、食料供給などに影響を与えてしまう。

これらの再生可能エネルギーやバイオマス燃料には技術革新の可能性があり、遠い未来ではエネルギー問題を解決してくれるかも知れない。しかし、2020年までには間に合わない。

3. 電力依存を増やし、原発を増設する

日本の一次エネルギーに占める電力の割合は4割強。オール電化や電気自動車の普及促進で電力の比率を高めつつ、発電における原発の比率を増加させていくのが、従来の政府方針であった。福島第一原発の事故で原発反対派の勢いが増す事は避けられ無いが、原発を推進できなければエネルギー政策の見直しは避けられ無い。

4. 国策は維持されるのか、変更されるのか

米オバマ大統領は既に原発推進路線を確認する声明を出している。しかし、政治主導を掲げる民主党・菅首相ら政府首脳からは、エネルギー政策に関するコメントは何も無い。福島第一原発の災害の収拾のタイミングを待っているのだと思うが、原発推進路線から外れCO2排出削減を諦めるのか、原発推進路線は維持し安全基準を引き上げるのか、それとも経済縮小を覚悟で省エネルギー社会を目指すのか、何らかの方針を打ち出す必要がある局面だ。世論やマスコミを恐れて方針を打ち出せないのは、政治主導とは言えない。

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