今回の第48回衆議院選挙は、解散を決断した安倍総理もびっくりのドタバタ劇であった。少数派は合併して大きくなるか、綿密な選挙協力をしないと勝てないのが小選挙区制度なのだが、選挙のために主義主張が異なる集団と手を組む事に耐えられない政治家が多いようで、統一政党の分裂癖はなくならない。
今回の民進党の希望の党への合流騒動も、前原誠司氏の選挙制度対策と言う意図を、小池百合子氏が理解できずに重鎮や左派勢力を排除し、さらに彼らの選挙区に落下傘かつ泡沫な候補者を擁立し、自民党の候補者を支援することになった。反自民票をまとめて政権交代を目指すと言いつつ、やった事は逆であったわけだ。
野党はこれからどうすべきであろうか。政権選択選挙などと格好の良いことを言う前に、事前の世論調査が示す、自党の置かれた立場を受けれ、主義主張にこだわらず選挙協力を行なうべきであろう。野党間の主義主張に隔たりがあるのはあるだろうが、野党間で政権を争っているわけではない。自党の議席数を減らしてまで、気に入らない他の野党の議席数を減らす意味はほとんど無い。
立候補者の調整が難しいようだが、現実を直視すれば解は一つしかない。機械的に議席獲得数最大化を狙い、告示日までに世論調査を行い*1、その時点で協力する野党内で1番手以外の候補者を引っ込めると取り決める。比例代表を考えると誰かが小選挙区に立候補した方が良いと言う話もあるが、基本的には泡沫候補になるメリットも、泡沫候補を立てるメリットは無い。支援組織が嫌がるかも知れないが、政策合意の範囲を絞れば説得は不可能ではないであろう。
どうしても呉越同舟が気に入らないのであれば、選挙制度改正に関してのみ政策合意をすれば良い。完全な比例代表制であれば、選挙協力をせずとも議席数が確保できるし、小選挙区ボルダルール制であれば、非自民票が拡散して議席を失う現象は抑制される。1回は野党が一致して選挙協力を行なう必要があるが、それだけである。すぐに選挙制度を元に戻されると思うかも知れないが、少数政党も議席をもった状態に移行した後に、小選挙区制を導入するのは困難であろう。
*1候補者を取り下げた野党への票が、残った野党候補者に流れると言い切れない場合は、与党候補とA,与党候補とB,与党候補とC・・・と言う風に一騎打ちになったときの情勢を聞いてもよい。
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