思想家の東浩紀氏が『在特会デモ&カウンター「観光」記』と言うレポートを公開していた。9月23日の六本木周辺の在特会デモを眺めてきたそうだ。素朴に見てきたことが記述されており、文章も軽快で面白い。しかし、肝心なポイントは聞けなかったのか、言及がされていなかった。
デモ隊200名・カウンター側600名と言う人数は一年前と比較するとほぼ同じで、関東一円に住む人数から考えると誤差のような規模でやっている。しかし、在特会の方はメッセージを変えてきており、問題となったハーケンクロイツ旗を掲げる人も消えたようだ*1。カウンター側は逮捕者を出してきているし、今回も警察に拘束された人が出たようだ*2。
今回のデモで、在特会はどんなメッセージを出していたのであろうか。残念ながら喧騒でデモ隊が何を言っているのか分からなかったようだ。在特会のページを久々に見たら、特別永住資格が在日特権だと主張している。また、特別永住者は犯罪を犯しても、国外退去にならないと指摘している。特別永住資格を無くして永住許可に統一しろと言いたいようだ。ヘイトスピーチから政治的な問いかけに変質したと言えるであろう*3。
特別永住資格自体は、第二次世界大戦の戦後処理の一つではあるが、かつて日本国籍があった人々の子孫に永続的に認める必要があるのかは良く分からない。単なる永住許可では問題が起きるのであろうか。この在特会が投げかけているメッセージに対して、カウンター側はそれを大きな声を打ち消し、多人数で威圧する非民主的な戦術を取っている。
在特会をレイシストと罵ってきた人は、彼らの政治的メッセージに論理的に反論するべきであろう。カウンター活動に心情的に近そうな東浩紀氏は筆も立つし批判するのに適任な気がする。氏が専門とするデリダは役に立たないのかも知れないが。
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