2013年10月6日日曜日

アジアを知る上で欠かせない「イギリス帝国の歴史」

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恐らく歴史家には英国史同好会のメンバーが多いのだと思うが、彼らの最近の研究をまとめた本が出ていた。「イギリス帝国の歴史」は16世紀から20世紀末までの英国史をアジアとの関係を貿易や投資の観点から整理して描いた本だ。18世紀までの大航海時代、19世紀中旬までの自由貿易帝国主義の時代、20世紀末までの大英帝国の解体の三時代に分けて、英国の対外拡張政策を紹介している。

知っているようで知らない事が色々と書いてある。例えば大英帝国においてインドがいかに色々な意味で重要であったかを意識していない人は多いかも知れない。

産業革命前にはインド製綿織物をアフリカに輸出することで、英国は南北アメリカに供給する黒人奴隷を仕入れることができ、特に中米カリブ海のプランテーションで砂糖の増産が可能になった。産業革命もインド製綿織物を輸入代替工業化することで成し遂げられた。悪名高い中国へのアヘン輸出もインドからだった。英国以外の工業国が出てきた後も、一次産品の供給地として英国の貿易を支えた。また、経済面だけではなく、軍事的にもインド人が兵力に占める割合は大きく(英仏横浜駐屯軍はインド兵だったらしい)、インド独立後は大英帝国は力を失う。

世界中に植民地はあったわけで、それぞれに興味深い逸話があるのだが、全体としてみると大英帝国はインドに始まりインドに終わった。なお植民地経営の名残で英国には南アジア系市民が250万人もおり、イギリスを代表する料理はマサラカレーになっているそうだ。風聞ではLSEの教員はロンドンで一番美味しい料理はカレーと言っているらしいのだが、歴史的にそうあるべきと言う話であったようだ。

旧宗主国でもない日本にインド人がやっているカレー屋が大量にできているんですが。

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