2013年1月11日金曜日

デンマークのマイナス金利政策

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デンマーク国立銀行の当座預金の超過準備がマイナス金利政策になっているのだが、産経新聞の日曜経済講座で貸し出し需要を増やす効果があるように紹介されているらしい。日銀も真似をしろと言う事らしい。

銀行の銀行である中央銀行には、銀行の当座預金がある。銀行は法定準備額を中央銀行に預ける義務があり、リーマンショック後の2008年11月より日銀では超過分に0.1%の金利がつくことになっている(補完当座預金制度)。デンマークでは、これがマイナス金利になっている。

1. デンマークは為替レート理由でマイナス金利を導入

EU諸国の中で民間債務が2010年でGDP比243%で最も高いと言われるデンマーク*1で、当座預金の超過準備に負の金利が付くようになったのは、貸し出しを増やすためではなく、通貨高を阻止する目的があるからだ。デンマーク・クローネはユーロに対して一定レンジでペッグしているのだが、ユーロ危機で資本逃避してくるようになり、為替レートの維持のために措置を行った*2

2. デンマークの超過準備がローンになったわけではない

なお、貸し出しが増えていると言う事だが、デンマークではマイナス金利の導入後の7月末に一時的に超過元の準備が減少したものの、9月末には元の水準に戻ったそうだ*3。つまり、超過準備を取り崩して、貸し出しに回しているわけではない

また、担保ローンの数字を見る限りでは、2011年の落ち込みが激しいせいか、2012年の貸し出しが大きく増加しているように見えているように思える(The Association of Danish Mortgage Banks)。

3. 超過準備に金利をつける理由

理論的にはマイナス金利なったら銀行が自らの金庫に現金を蓄えることになるので、マイナス金利に無理があるのは明らかだ。デンマークの銀行も、利便性を考えてマイナス金利を我慢しているに過ぎない。しかし、超過準備に金利をつける理由も曖昧に思える。リーマンショック前はついていなかったからだ。

インターバンク市場での値付けが迅速に行くとか、ゼロ金利で固定されると取引ボリュームが無くなり、そこから得られる情報が無くなったり、一部の借り手向けの市場が消滅したりする可能性があると言われている*4が、あまり説得力があるように感じない。

実際のところ量的緩和を進める上で、金融機関に国債を売らせるためにあるのでは無いかと思うが、それも本末転倒な感じだ。金融緩和の効果を相殺していると、批判もされている*5

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