2011年7月25日月曜日

Google+はFacebook対抗サービスでは無い

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6月28日から試験運用中のGoogle+に招待してもらったので、ざっと機能を確認して見た。

良い意味で簡素化されており、利用者に混乱を招く可能性が少ない。また、知人のグループ分けをする"Circle"がGoogleの他のサービスと連係されるので、Googleのサービス全体のユーザビリティを向上させる事が分かる。ビデオカンファレンスのような強力な機能もあり、洗練されたサービスだ。

しかしFacebookキラーかというとそうでは無いように感じる。Facebookは旧友や友人の知人との繋がりを提供するサービスだが、Google+は知人との情報共有プラットフォームになっていく可能性が高いからだ。

1. Google+にある機能

現在実装されている機能は少なく、確認した限りは以下しかない。公開する情報のアクセス権限管理を担うCircleと、ブログ的に情報を公開するPost/Streamが中心で、他のサービスはオプション的に扱われている。

1.1. Circle

mixiやFacebookのグループに該当する。知人をグループ分けする事で、公開する情報のアクセス権限や更新情報の絞込みを行う事ができる。一人の知人を複数のCircleに登録する事も可能で、実態はタグ付けである。UIは独特だが、DnDなので難しくは無い。

Circleが他のサービスのグループと異なる点が一つあって、それはGoogle+の利用者でなくても分類ができる事だ。Googleのサービスは写真(Picasa)や動画(Youtube)の管理で情報の公開範囲の設定が煩雑な面もあったが、Circleで簡素化されるようだ。

1.2. Post/Stream

mixiでの日記とつぶやき、Facebookでのノートと近況に該当するのがPostで、その集合がStreamとなる。Postは特定circleや一般(public)に公開することができ、写真、動画、リンク、位置情報を加える事もできる。+1、Comment、Shareも可能。+1はFacebookの「いいね!(Like)」、ShareはTwitterで言うRetweetやFacebookのシェアと同等だ。

ごく一般的な機能しか備えないが、circleで絞込みができるので、mixiやFacebookよりはユーザビリティが良い。「つぶやき(旧エコー、旧ボイス)」が日記と併用されているmixiよりは、ずっと洗練されている。ただし、Post後の公開範囲の変更が効かないので注意が必要だ。

1.3. Photos

ウェブアルバムのPicasaと連係している。Picasa上でアルバムの「共有」を行う事で、どのCircleに対して公開を行うかを設定できる。Google+無しでは、共有したい人を一人一人指定する必要があったので、操作が大幅に簡素化される。人物名をタグとして付けるプライベートな写真の管理を意識している機能もある。

1.4. Profiles

Google+でGoogle Profileを統合する事になり、プロフィールの編集・確認と、その他の自分が公開しているPost、Photos、Videos、+1を一覧する事ができる。コレと言った特色は無いが見やすい。

1.5. Sparks

ニュースサイト、ブログ、Youtubeなどを検索する。検索結果をShareすることで、Postする事ができる。Google的には推している機能だが、ここから検索をする必要性を感じ無いので便利かは分からない。

1.6. Chat

Google Talkと同様のメッセンジャー機能。iGoogleで御馴染みのウェブ版を利用する事ができる。

1.7. Hangouts

ブラウザーにプラグインをインストールする必要があるが、多数の人間とビデオ・カンファレンスを行う事ができる。アクセス単位はCircleで制御できる。SkypeやAppleのFaceTimeを代替しうる機能。

2. Google+に無い機能

mixiやFacebookと比較すると「無い機能」だらけだ。例えばEメールやGoogle Talkで連絡を取れる事が前提のためか、「メッセージ」が無い。ゲームセンター化をもたらすアプリケーションも無い。RSSやOAuthで他のソーシャル・サービスと連携する機能も無い。その中で他のSNSサービスにあって少なくとも現在のGoogle+に無い機能で最も特色的なのは、知り合う為の機能だ。

Google+も「友達候補と招待」が出てくるが、実際にGMail等でコンタクトをとった人物が大半になる。つまり、現在コンタクトが取れる人が大半だ。高度な「知り合い検索」機能は無い。捜索能力は通常のインターネットの検索サーバーと大した変わらない。mixiにある「コミュニティー」に該当する機能も無い。

つまりFacebookは旧友や友人の知人との繋がりを提供するサービスだが、現在のGoogle+はそういった側面はほとんど無い。むしろソーシャル・サービスとしてはTwitterに近い印象がある。

3. Googleに欠けていた"Circle"

FacebookキラーとしてGoogle+を見る人が多いが、Googleに欠けていたアクセス管理のグルーピング機能が実装されつつあると見た方が良い。

Google Calendarでスケジュールを作成しても、Google Docsで資料を作成しても、特定『個人』にしか限定公開できない。現状ではチーム全体にせっせと公開指定をしても、チームに新メンバーが入ると資料全ての共有設定を修正する事になる。Google+と連携するようになれば、共有設定の利便性が大幅に改善される。

ウェブアルバムのPicasaも従来は個々の人間を指定してしか限定公開できなかったのだが、Google+と連携するようになって、公開範囲の管理が楽になった。GoogleはSNSの主要機能であるPost/Streamを実装したが、キーになるのはCircleで、それも従来サービスに適用されたときに真価を発揮するように思える。

4. Google+の将来性

Facebookを追撃するのではなくて、自社サービスの改善を模索しているところがGoogleらしい。Calendar、Docsを統合する事で機能拡張を行い、Google Appsの利用価値をさらに高める事で広告事業以外からの収益を増やす意図も垣間見える(cnet)。

Facebook vs Googleを期待している人には残念な事だと思うが、方向性が違うのでFacebookを駆逐するようになるかは分からない。Googleの既存サービスとGoogle+の連携度が高くなれば、mixiやFacebookが追随するのが難しくなるのは確かだが、ソーシャルの世界は機能性だけでは無い「何か」がキーになるのはTwitterが証明している。BuzzやWavesが失敗し、Googleが苦戦している分野であるのも確かだ。

それでもGoogle+の第一印象は悪くない。洗練されたデザインと現代的な操作性のためだと思う。投稿済みのPostの公開範囲を変更できないなど困った面もあるのだが、一般公開前には改善される点も多いであろう。Googleらしいソーシャル・ネットワークがインターネットに受け入れられるのかは、興味深い実験になるはずだ。

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