2011年7月9日土曜日

消費税?人頭税?たばこ税の逆進性はさらに上を行く

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葉巻を咥えた金持ちは、古き良き時代のイメージでしかないようだ。

電気代の所得弾性値を導出したついでにタバコの所得弾力性を推定したら-0.318(95%信頼区間-0.67~0.03)で、10%有意水準ではあるが下級財に分類されうる値だった(常習性があり他に代替物が無いので厳密には下級財ではない)。貧乏人ほど喫煙する。分散が大きいのは、喫煙者と非喫煙者が、外生的に分かれるためだと考えられる。

このマイナスの所得弾性値から考えると、たばこ税は逆進性の強い課税だ。消費税や人頭税は目ではない。同じ方法で消費支出の所得弾力性を計測すると0.497(95%信頼区間0.44~0.55)になる。人頭税的と言うには、所得弾力性がゼロである必要があるが、それを超えてマイナスになっている。

喫煙者のイメージが悪化しているという調査結果があったし、国際的に喫煙者が低所得と言うニュースも稀に見かけるが、家計調査報告のデータを簡単に分析しても、それと整合性のある結果が出てくる。

常習性の強いものなので、所得が喫煙に影響があるとは思わない。悪習慣を抑制できない人は貧乏になると考える方が自然であろう。タバコ税の増税は、統計的にはそういう低所得者に負担が重い施策となる。政治家や官僚はこの情報を間違いなく日本のデータで把握しているであろうが、大きな声では言いたくないようだ。

医療負担等にかかえる喫煙の社会的コストは5兆円と言われる(関連記事:「たばこ税」に関して知っておくべき10のこと)。喫煙者が病気になり健康保健に負担をかける等のコストだ。貧乏人や若年者はたばこ税増で禁煙をはじめる可能性も高いらしいし、その分は税収は減るが社会的コストを考えると辞めてもらっても問題は無い。喫煙を辞めるか、コスト負担をしてもらうと言う意味では、たばこ税は意味があり多くの国民の支持を得ている。だから増税がしにくくなる逆進性の事実は、権力者は大きな声では話さない。

実際、簡単に増収が望めて、かつ批判を受けづらいたばこ税は、政治家は安易な増税を許してきた。国鉄と国有林特会法の清算ための税金が、たばこにかけられているのは合理的な理由には思えない。東日本大震災の復興資金調達のためにも、たばこ税の増税が検討されている(読売)。

逆進課税で貧乏人いじめのたばこ税だが、自発的な禁煙が可能で、道徳的にも吸わない方が望ましいので問題になる事は無い。道徳観念は租税においても重要だ。

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