2011年4月14日木曜日

ナタネ vs ヒマワリ

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放射性物質で汚染されたチェルノブイリの土壌で、ナタネやヒマワリを植えてセシウムやストロンチウムを吸収させようという試みが行われているそうだ。ナタネは4月13日の毎日jpで、ヒマワリは1996年2月29日のWall Street Journalで試みが紹介されたものが、近年になってテレビ番組で紹介されたようだ。

1. 米作は数年間は不可能になる

ヒマワリは5月、ナタネは10月下旬が播種の時期になるため、現在の放射線濃度の低下傾向から考えると、ナタネの栽培が可能なようだ。農業者戸別所得補償制度の戦略作物でもある。ただし、ナタネの収穫時期は6月になるため、今年と来年の米作を放棄する事になる。

2. 原理と過去の試みからすると、有効である可能性はある

栽培前後の土壌汚染の程度を示したデータは公開されておらず、その効果については疑問が残る。また、土壌にあるセシウムは水溶性で、福島県の年間降水量は1,251mmと多く(汚染の続くチェルノブイリは年間300mm程度)、雨水で自然と流出する可能性が高い。

しかし、原理的には、カリウムやカルシウムを良く吸収する植物であれば、セシウムやストロンチウムを取り込む事は十分に考えられる。過去の試みでも、汚染土壌でナタネやヒマワリを栽培すると、根や茎が汚染されたナタネやヒマワリが生育する事は分かっており、また、食用となる部分の汚染は観察されないようだ。

3. 効果が無くても実験データは有用

実験的側面が強い栽培になると思うが、風評被害で米作を行う事による米作の経済的被害は回避不能であろうし、原子力開発としても汚染土壌の改良方法は模索しておく必要があるため、文部科学省・経済産業省・東京電力が協力してサポートを行い、ナタネやヒマワリの栽培を試みてみるのは建設的な試みであると思う。効果が無くてもデータの入手は可能だ。

4. 汚染地域の住民は積極的

土壌汚染が確認された福島県飯舘村の菅野典雄村長は、ナタネやヒマワリの栽培に意欲的である(asahi.com)。京大原子炉実験所の今中哲二助教らの調査が信頼に足るならば、汚染の程度が深刻な土壌は存在する(北海道新聞)。科学的に未知の試みになるため文部科学省が主導する実験となると思うが、政治決断をするのは容易だ。原発事故による閉塞感を解消するにも、悪くない施策となる。

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