2025年3月8日土曜日

デジタル庁クラウドチームの推す技術スタックに無かったアレ

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あるツイートを目にしたのをきっかけに*1、デジタル庁クラウドチームのテックブログをだいぶ読み込んで来て、だいたいスケーラビリティとレスポンスの良さを目指しているのが分かってきた。しかし、技術スタックに何かが足りない。そう、long pollingが無い*2

long pollingは、例えば更新があるまでhttpの応答をせずにクライアントを待たせる方法で、ブラウザーはリロードなしにリアルタイムな情報を得ることができる。𝕏/Twitterなど、新しいメッセージが来ると、即座に表示したり、通知する仕組みに便利だ。

技術的には厄介で、2010年代前半にC10K問題が脚光を浴び、Apacheからnginxに人気ウェブサーバーが交替する一因となった。更新待ちのブラウザーがサーバーに接続しっぱなしになるので、同時コネクション数が一気に増加するが、それまで主流であったブラウザーは数万という数を捌く方向の技術で作られていなかったからだ。

官庁や地方自治体の国民や住民向けウェブサイトでは使い道が難しいかも知れないが、業務システムでは便利に使えることもあるはずだ。仕事が生じたら職員にポップアップで通知するような何かで。他に方法は幾らでもあるわけだが、新しいモノ好きのテックギーク感あふれるクラウドチームの皆さんが言及しないのは謎であった。どこかで言及している?

*1関連記事:さくらのクラウドを応援したいけれども、ITエンジニアとしてはAWSなどの外資系サービスを使いたい

*2WebSocketもない。これはhttpから切り替えて通信開始できる、サーバーとクライアントの間の接続を継続してデータをやり取りできるプロトコルで、チャットのようにレスポンスのよいシステムを構築することができる。

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