𝕏/Twitterのツイートに関して、編集者と文筆家が社会学者を名誉毀損とプライバシー侵害で訴えていた三浦ゆえ・山田ノジル×橋迫瑞穂の高裁判決が出た*1。基本的に原判決*2を踏襲している。橋迫氏は控訴しない(かできない)ようなので、これで確定。争点は3件あり、うち2件で不法行為が認められたのだが、1件は橋迫氏に厳しい判決になっていた。
2022年6月29日掲載のブログ記事で、橋迫氏を「高学歴ワーキングプア」と誹謗した人物を、2019年11月18日の座談会に起用していたことに対して、橋迫氏が「個人を誹謗中傷するライターを起用するなんて信じられない」とツイートしたことが名誉毀損だと認定された。つまり、他者を誹謗中傷をした人物だと認識しながら座談会に起用したと指摘したと理解されたわけだ。
橋迫氏に厳しい判決である。裁判官は通常人はそのように受け取らないとしたが、ブログ記事と座談会の日付から、橋迫氏が「個人を誹謗中傷する(ような人格の)ライターを起用する(していた)なんて信じられない」と言いたいのだろうなと受け取ることが不可能と言うわけではない。誤解を招きかねない表現ではあるが、常日頃見かける程度であり、受忍範囲に思える。「する」ではなく「していた」と書くべきであったが、こういう時制やテニヲハを誤るツイートをしてしまうことは頻繁だ。通常人はツイートに誤りが含まれる可能性を認識している。
裁判に至るまでの過程が、裁判官の心証に影響したのではないであろうか。原告の三浦ゆえ・山田ノジル両氏は代理人を通して橋迫氏に抗議を行っており、そのときに橋迫氏が「誤解を与えかねない表現であった」と、抗議されたツイートを削除するか、補足説明を加えていたらどうであろうか。原告が満足できなくても、裁判官は真摯な対応だと受け取ったと思う。原告から私信として来た抗議を公開せずに、反論もしくは質問を返していたらどうであろうか。橋迫氏は出版社を経由したやり取りでは、三浦・山田の両氏の主張の不明点を確認できないとしたそうだが、原告被告3名は文章に関わる仕事をしており、文章による反論や質問が機能しないとするのは無理がある。
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