2018年1月18日木曜日

ウーマン村本のハチャメチャを楽しもう

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「朝まで生テレビ!元旦スペシャル」で、お笑い芸人ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏と法学者の井上達夫氏が“炎上バトル”を行なった上に、番組終了後、村本氏が井上氏の人格を中傷する発言を行なったため、番組出演者の井上達夫氏、森本敏氏、李相哲氏が記事を書いて、村本氏の態度をたしなめる記事を出す*1一方、村本氏は「今回の朝生のオファーあった時に、小学生以下のバカ丸出しの質問して話し止めるけどそれでいいなら出るってのが条件だった」と開き直る展開が話題になっている。

1. ハチャメチャを言うのはウーマン村本に限らない

政治討論番組としての品質は低下し、井上達夫氏はかなり気分を悪くしたのでは無いかと思うが、ネット界隈レベルの言い争いが公共の電波で可視化されたのは興味深い。問題に関する知識が欠落し、指摘されても思い込みを言い続け、論理的に議論を展開しない人は相当数存在する。村本氏の学歴を揶揄する人もいるが、大学教員などでも専門外の事でいい加減な事を言ったり書いたりしてネット界隈で突っ込まれているケースは多々みるので、問題の本質は学歴では無いであろう。村本氏の場合は芸風であろうし、自己承認欲求が強い人はどんな論理トレーニングを受けていてもハチャメチャを言い出す。

2. ハチャメチャに言い返す準備は十分か?

そういうハチャメチャを嫌悪するのが悪いとは思わないが、一歩引いて見れば楽しいコンテンツになる。「非武装中立」と言われたときに、第一世界大戦と第二次世界大戦でそれを掲げていたルクセンブルクとベルギーがドイツにあっさり蹂躙された事をすぐに紹介できるであろうか。「もともと(沖縄は)中国から、取ったんでしょ」と言われたときに、沖縄の歴史を振り返って朝貢国であっても属国ではない事を説明できるであろうか。「(尖閣諸島が中国に侵略されたら)白旗を挙げて降参する」と言う主張を、日本国民の利益を公理的に定義し、それに基づいて反駁できるであろうか。村本氏が何となく間違っていると感じる人は多いであろうが、言語化してその間違いを指摘するのは苦労だと思う。

3. 明快な答えが無い問題もある

自衛隊が合憲か否かについては、さらに難易度が高い。井上達夫氏は憲法第9条2項を読めば分かるようなことを言っているが、日本の法律は判例を中心とする膨大な解釈によって支えられており、条文だけを見ても合法性を判断することが難しい。非嫡出子相続差別など、憲法解釈が変更される事例もある。「現在の自衛隊の存在は憲法違反にあたると考えますか」と憲法学者にアンケートをとっても、明確に違憲とするのは半数に満たない*2。憲法9条の条文を読めば理解できると言うのは、十分な回答とは言えないであろう。少なくとも憲法第9条において、他の憲法条文との兼ね合いを考える必要が無いことなどの説明も欲しい。

4. 試験問題としてハチャメチャを批判する

テレビ番組の出演者などに自分の考えの代弁者であることを期待する人々もいるが、それは無理な注文だ。試験問題として村本氏の言説を捉え、難易度の高いゲームぐらいに捉える方がよい。村本氏に限らず、ネット界隈でハチャメチャを言い出す人々の言説も、いちいち真に受けずに一歩下がって観察する事を勧めたい。事実関係だけではなく、論理的な誤謬がないかもチェックしていこう*3。もちろん、規範的には間違いを間違いと指摘してはいけない理由も無いであろうから、ハチャメチャな人の批判をするなと言う意味ではない。上から目線と罵られるだろうが、それもありだ*4。集団で非難していたら、ハチャメチャな人の言説も手堅く・・・なった試しは記憶になかったヽ(´д`)ノ

*1ウーマン村本「炎上騒動」の内幕

*2安保法案学者アンケートに関するトピックス:朝日新聞デジタル」の質問4を参照。

*3関連記事:万人が知るべき10のよくある間違った論証方法

*4自己承認欲求が強すぎる人は他人に教わる事自体が強いストレスになり、常軌を逸した行動を取るようになるときもある。

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