2017年10月31日火曜日

報道機関がまだ森友学園問題を終わらせてはいけない理由

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個人投資家・作家の山本一郎氏が森友・加計学園問題を、現状の証拠類を見る限りほぼ難癖に近いと断言し、一部の新聞各社だけが問題にしていて滑稽だと批判している*1。どうも先週出てきた会計検査院のダメ出し*2を頭に入れていなかったようだ。森友学園への国有地の売却に関して、撤去費は2億~4億円程度で済み、値引き額は最大約6億円過大であり、また売却交渉の関連文書の管理にも問題があったと判断したと報じられている。疑惑の土台は固められた。

これだけならば財務省と国土交通省が悪いと言う話なのだが、この問題、3月には出ていて、安倍内閣は妥当な見積もりであったと強弁してきた。つまり、今まで官僚を庇っていた内閣の監督能力に欠陥があることが示されたわけだ。森友学園の瑞穂の國記念小學院の設立は頓挫し、国有地は売値で買い戻される事になったので、政府に大きな損失が生じたわけではないが、国有財産の処分ルールに関することなので無問題とは言えない。

山本一郎氏が経営する会社は資産価値の算定など行なわずに相対で売買契約を結ぶのかも知れないが、国有財産でそれをやると政治家や官僚の利益供与が多発する可能性があるので、ちょっと不味い。深さ3m以下のゴミに関する見積もりを、地下3m以下を計画的に調査した数字に基づかず、2009年の国交省大阪航空局の深さ3m以上の調査結果と小学校建設の設計図を参考にして行なったわけで、かなりハチャメチャなことをしている*3わけで、会計検査院の判断に意外性は無い。

見積もりを行なった大阪航空局の職員に、ハチャメチャな見積もりをした事情を聞き、職員単独の問題なのか、組織としての問題なのか見極める必要がある。前回、国会に承認喚問もしくは参考人招致をしようとしたときはずっと出張中だったそうだが、次の国会ではどうであろうか。近畿財務局の官僚と安倍内閣は、問題が発覚した後もそれを問題だと認識できなかったわけで、監督責任を問われるべきであろう。さらに原則入札とは言え、相対契約での国有財産の売却が今後は無いとも言えないから、同様の不手際を防止する策も審議する必要がある。民進党が出した「公文書管理法改正案」か同種のもので、売買交渉の経緯を辿れるようにするのは一案だし、会計検査院のダメ出しも沿う。

森友学園に関しては、3月の時点で安倍内閣が問題を認め、関係する官僚を処罰して再発防止策をうっていたら、ここまで長引く事は無かった。なぜ、官僚の不手際を無問題と強弁して終わらせようと思ったのか、むしろ疑惑は深まっている。

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