2017年10月26日木曜日

被告人が悪いのでは無いのです、被告人の遺伝子が悪いのです

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米国では既に、被告人の遺伝子を理由に減刑を勝ち取ろうとする弁護士が現れている。実際、MAOA分子の遺伝子*1が、非社会的で犯罪的行為と関連があることが知られており、2009年にそれを理由に減刑された判決が宣告されている。遺伝子工学全盛の時代である。しかし、遺伝子を理由に陪審員の同情を買うのは、まだまだ難しいようだ(POPSCI)。

ある一つの遺伝子を特定の行動に結びつけるのは難しく、MAOA分子の遺伝子についても論争があり、この遺伝子単独では暴力的で善悪に捉われないようにならない事が明らかにされている。社会や環境も寄与するからだ。しかし、弁護士は依頼人を弁護するため、遺伝子研究を用いて、被告人は特定の犯罪行為を犯しやすい体質であり、責任能力が他の人々よりも欠如していると主張する事ができる。

もっとも、この手の試みは狙い通りに機能するとは限らない。コロンビア大学のPaul Appelbaum教授と共にNature Human Behaviour誌に掲載された研究を進めてきたカリフォルニア大学アーバイン校のNicholas Scurich教授によると、犯罪に関連する遺伝子を持つことが、一方的に量刑に影響をもたらすことは無いそうだ。司法関係者は同情を示さないし、むしろ再犯の可能性が高いと考えるときがある。だからと言って、減刑を勝ち取る可能性は皆無ではないから、弁護士が諦めるとは限らないが。

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