2013年2月14日木曜日

相続税の無い中国はリバタリアン天国と言えるか?

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労働問題の専門家の濱口氏が「リバタリアンのパラダイス:中国」で、経済格差の是正政策が十分でない中国で人民の不満が高まっているのに、共産主義者であるはずの共産党が積極的に格差是正に乗り出さない事を指摘している。その趣旨はともかく、中国の税制自体は原理リバタリアンと言うわけでもない気がする。

相続税についてはスウェーデンにもないし、中国にも所得税、法人税、利子課税、キャピタルゲイン課税はある。中国の租税負担率は2割程度*1(日本は23%)、国民負担率は一説では3割程度*2(〃38.9%)と言われる。開発途上国である事を考えると、そう低い数字でもない。

中国のジニ係数は2000年の0.41から、2008年には0.47まで悪化した*3が、税制が理由とも言い難いようだ。取り締まる側に汚職者が多く、脱税天国で税制が機能していないなどの理由もあるのであろう。実は1993年から「遺産税」と言うのもあるのだが、資産トレースが十分できず、人材等の国外逃避もあり得て、さらに創業者がまだ若く現役であるなどの理由で実施されていないようだ*4

*1中国の税収と対 GDP 税収割合の推移

*2数字を明確に示した資料は見つけられなかった。社会保障制度は存在する事は確かで、保険料の会社負担や個人負担も日本と比較して少ないわけでは無い(中国の社会保障について)。

*3大和総研「中国経済:経済大国が抱える貧困と所得格差

*4中国ビジネス展開セミナー 資料

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